青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

青春のギターリペア  K2ギターファクトリー

2023年03月29日
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カテゴリ: ギターリぺアー
◆Morris FC-20 セッテイング です
ギターオーナー様は 、Untitled-182様です
 今回は購入先から工房へ直送の手続をされて昨日無事に届きました
 ギターを増やす事は控える様に心がけているそうですが、
 何故か更に自然に増えてしまうそうです

◆画像から確認して行きます

●ステッカーを剥がすご依頼を頂いて居りましたが、計8枚貼って有るとは想定外でした


●スロッテッドヘッド・タイプです


●1968年製でジャパンビンテージ・ギターです


●時代背景を感じるスッテカーです


●何故この様なスッテッカーを貼られたのか良く判りません

◆リペア開始して行きます




●トップ右下のクリアの浮きを注意しないと面倒な事になりますので
 マスキングテープで養生しておきます


●ピンが1本だけ経年劣化で、簡単にポッキと折れましたので全交換する事になります


●弦高を下げる目的でV字に切込みを入れた様ですが、1Eと6Eが逆向きにセットされてました
 この切込みの影響で1弦は全てのポジションで、とんでもない出音になってます
 切込みの深さから再利用は出来ませんので、エボニーサドルに交換します



●バインディング材の縮みが原因で、左右同じ位置でバインディングが剥がれてます


●コンパウンドを付使って残ったシールの糊を取り除きました


●バックも同様です


●アンポのスッテカーは紙製でしたので、特に剥がすのに手間が掛かりましたが、



●クランプが確実に固定出来て、更にバインディングも固定出来る、
 アテ木を作って接着固定します。バインディングをボディに隙間が出来た場合はパテで
 補修して行きます


●フレットを磨いて行きます。画像のセンターが磨く前です


●全てのフレットを磨いてフレットボードにオイルを補給しました





●瞬間接着剤で接着しておきます


●ロッド調整後の6E/12Fの弦高が、4.5mm有ります

●1E/12Fも4.0mm有ります


●サドルの出が6E側で2.0mmです

●1E側は1.0mmです


●ブリッジの高さは6E側で7.7mmです

●1E側で8.2mmです


●私的なメモで気にしないでOKです
 このネックの状態で弦高を下げると、ブリッジの高さを4.2mmまで削って、
 そのからサドル溝を2.0mm付ける事になります、
 この状態ですと何時ものセッティングがNGと言う結論が出ました


●理由は簡単で、ネックが強度に元起きしてます
 ボディ天羽にスケールを当てて、スケールの先端位置を確認しますと


●ラインを引いた位置からフレットボードの下羽の距離まで8mm有ります
 弦を張ったままのギターでも、変形には必ず限界が有ると思いますが、元起きの限界は
 8mmと考えてます。実際に8ミリ以上元起きしたギター見た事が有りません


●ネックリセットの選択を避けるため、ネックアイロンを掛けて元起きを修正して行きます


●余熱が残っている状態でスペーサーの厚みを考えて治具をセットします
 今回はある程度パワー技を使う事になりますし、治具をセットしたばかりで何とも言えませんが
 リペア完了まで数か月掛かるかも知れません。
 いずれにしても現状ではリペアに必要な時間は予測不能です


◆治具を外して修正の進捗状況を確認しますと、当初の計算ほどブリッジを削らなくても
 OKの見込みが出てきましたが、あくまでも現状では見込みです
 現状では予想以上に治具の効果が出ていると理解して下さい

●ブリッジのトップを2mm削ります


●トップを2mm削った分、サドル溝も2ミリ掘り下げます

◆セッティングをして行きます 

●1フレットにスペーサーをセットします


●スケールで測定した仮のサドルです


●12フレットジョイントなので、10フレットを基準に弦高をセットします
 6E/10Fで2.10mmです


●1E/10Fで1.75mmです

◆セッテイングして行きます

●相性の良いエボニーのサドルを削り出していきます
 長めに切出して両サイドをブリッジの曲面に合わせます


●仮のサドルと同じ高さで削り出し弦をセットします


●1フレットのクリアランスにバラつきが有りますので、0.5mmのスペーサーを
 セットしてセッティングを確認します


●6E/12Fは、2.25mmで予定通りです


●1フレットは1.75mmです


●フレットボードの仕上がりです


●トップが浮いていた分部はバインディングと同じ高さに修正して有ります



●バックのバインディングが縮んだ箇所は、画像で見るほど実機は目立たなくなってます


●リペアの完了です
 リペア前は5.0mmの弦高でしたので、世界標準の2.50mmで妥協するせざるを得ない
 可能性も有りましたが、工房標準セッティングにする事が出来ました

🌻試奏タイム
 シャキとした輪郭のハッキリした出音で、ボディの形状からフィンガーピッキングに
 最適なギターです。フレットの状態から殆ど弾き込まれた形跡が有りませんので
 今後の音の成長が楽しみです。



🌻K2ギターファクトリー
  千葉県八街市 八街 に-67-3 
   代表 加藤 和久
   ☏ O8O-5376-O998       
   ⁂お車6台分の駐車場をご用意しております





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最終更新日  2023年04月10日 07時25分15秒
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