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2024.03.09
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​永田和宏「歌に私は泣くだろう」(新潮文庫)​
 ​​歌人で科学者の 永田和宏 の​ ​​ 「あの胸が岬のように遠かった」(新潮社) ​​ ​を偶然読んで読書案内に書きました。​​
「スゴイで、アッケラカンやで、おくさんいはったら怒らはるで。」
「題見たらわかるやん。胸って、女の人のやろ。」
「うん、でも、チョット癖になって、今度はこれを借りてきた(笑)。」
「はあー?すきやなあ(笑)。でも、それ、『波』で連載してた時、評判やった気がするわ。ちらちらしか読んでないけど。」
​  ​​​​​​​​​​​​​​​ 「あの胸が岬のように遠かった」(新潮社) は、現代を代表するといわれている 女流歌人 の一人、 河野裕子 亡き後、取り残された 歌人 永田和宏 が、 彼女との出会い を赤裸々に語った、いわば、
回想的青春記​
でしたが、新たに読み終えた、​​​​ ​「歌に私は泣くだろう」(新潮文庫) は、 であり、二人の子供たちの であった 河野裕子 の10年にわたる闘病生活を共に生きた 永田和宏
​共闘記・共棲記​​
​  ともいうべきエッセイでした。​​​​​​​​​​​​​​​
​​ 始まりは 2000年の9月 でした。その日のことを 河野裕子 が詠んだ歌がこれです。​​
 病院横の路上を歩いていると、むこうより永田来る
何といふ顔してわれを見るものか私はここよ吊り橋ぢやない 裕子
 ​ ​歌を詠んだ 河野裕子 自身が、その日のことを振り返った文章がこれです。​
 「十余年前の秋の晴れた日だった。乳癌という思いがけない病名を知らされたあの日の悲しみわたしは生涯忘れることはあるまい。鴨川のきらめく流れを、あんなにも切なく美しく見たことは、あの時もそれ以後もない。
 人には生涯に一度しか見えない美しく悲しい景色というものがあるとすればあの秋の日の澄明な鴨川のきらめきが、わたしにとってはそうだった。この世はなぜこんなにも美しくなつかしいのだろう。泣きながらわたしは生きようと思った。(「京都うた紀行」京都新聞出版センター)
​  ​​まあ、 案内 はこれで終わってもいいとは思うのですが、 本書 の最初の書き出しの記述がこうです。​​
 すべてはこの一首から始まったと言っていいのかもしれない。
 夜中すぎ鏡の前で偶然気づく
左脇の大きなしこりは何ならむ二つ三つあり卵大なり
​河野裕子「日付のある歌」​
 二〇〇〇年九月二十日の夜である。「左脇の大きなしこり」。風呂に入っているときに気付いたという。すぐに私に見せにきた。
で、本書の最後の記述がこれです。
さみしくてあたたかかりきこの世にて会ひ得しことを幸せと思ふ 裕子
 死の前日に、私が口述筆記で書き残した数首のうちの一首である。河野裕子にとっても、そして私にとっても短かった「この世」の時間。寂しくても、暖かかったと感じてくれたことを、そして、そんな「この世にて」私と出会い、私たち家族と出会って幸せだったと思ってくれたことを、今は何にも替えがたい彼女からの最後の贈り物だったと思うのである。
​ ​ 永田和宏 が病と闘う妻、 河野裕子 と暮らしながら、詠んだ歌の一つが、本書の題名として取られているこの歌です。​​
歌は遺り歌に私は泣くだろういつか来る日のいつかを怖る  ​永田和宏​
二〇一〇年八月十二日 にその日が来ました。 河野裕子 がこの世に遺した最後の歌がこの歌です。​
手をのべてあなたとあなたに触れたきに息が足りないこの世の息が  ​河野裕子​
​  ​泣くのは、 永田和宏 だけではありませんね。​
​​​​​​​​ 歌の言葉では 「相聞」 というのでしょうか、あるいは 「挽歌」 の心かもしれませんが、 この作品の読みどころの一つは、
​愛し合った夫婦の、残された夫による素直な述懐​
にあると思いますが、もう一つは、 河野裕子
​​ 闘病10年のすさまじさ ​​
を包み隠すことなく書くことで、 「生きようと思った」
​​一人の人間の美しくも哀しい生の真実​​
​  を描いたところでしょうね。​​​​​​​
 ボクは、胸、打たれましたね(笑)。

追記
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最終更新日  2024.04.08 23:27:42
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