PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

カレンダー

コメント新着

紫苑(しをん) @ Re[1]:日々の出来事(11/24) しの〜445さんへ 本当にご無沙汰していま…
しの〜445 @ Re:日々の出来事(11/24) おはようございます。☀ 今日の三重は快晴…
しの〜445 @ Re:カウントダウン1825(10/07) 紫苑さん、こんばんは~☆彡 何気なく、過…
紫苑(しをん) @ Re:ともだち(02/01) ものすごい亀レスでごめんなさい。 美味し…
しの〜445 @ Re:ともだち(02/01) こんにちは~☀ 私もそう思います。 学生…
2004年07月05日
XML
カテゴリ: Essay
 闇の中でじっと目を凝らすと、いろんなものが見えてきた。
 せわしなく点滅するオーディオの、時刻表示部のLEDランプ。
 カーテンの隙間から忍び込んだ外の灯り。
 ノートパソコンのバッテリー充電中ランプ、などなど。
 それらが、だんだんと暗闇を明るくしていった。

 わたしはさっきから、何度も寝返りを打っていた。
 目がさえて眠れなくなったのだ。
 身体が、目が、耳が、物を感じるすべての感覚が、やっとこの部屋を認識したようだ。
 暗闇に慣れた目で、わたしは一つずつ確かめた。

 隣の部屋で眠っている娘達の存在。
 そして、互いが互いを思いやる感情の交錯が、目を閉じると実体としてはっきり見えるのだった。
 それらが、心の底からいとおしくて、いつのまにか熱いものが込み上げてきた。

 わたしは、わたしが生きていくための、一番大切なものをすでに掌中に収めている。これ以上の幸せがあるだろうか。

 それなのに、楽になりたいとか、美味しいものをほんの少しだけ食べたいとか、そんな欲望に負けている自分を薄明かりの闇の中で強く感じた。

 目を凝らすと、そんな自分がよく見えた。
 目を閉じると、もっとよく見えた。







お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2004年07月05日 22時21分17秒
コメント(0) | コメントを書く
[Essay] カテゴリの最新記事


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: