2013/12/14
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『Fantasy Earth Zero』~メルファリア大陸の物語~




「さぁ…死にたいのは誰かしら?私がキッチリ止めを刺してあげるから」

ミズキはそう言うと射程内の数人にフォースインパクトを撃ち込んで昇天させる

「アイナちゃん…今よ!一気に下がって!」

ミズキに言われてアイナは後退する

「ヘッ!1人でイキがるなよ!」

そう叫んだ敵の戦士がミズキめがけて攻撃を仕掛ける
それをいとも簡単に躱すとヘビースマッシュで返り討ちにしてさらに近くの集団に飛び込みアーススタンプの衝撃波で数人吹き飛ばす



そういきり立った奴に近くの兵士が

「おい!ありゃミズキだぞ!破壊神だぞ!なんで前線じゃなくてこんなとこにいるんだよ!」

そう言って肩を掴んで止める
それを聞いた周囲の兵士もうろたえはじめる

「ちょっと!破壊神ってなによ失礼ね!っていうか…私がどこにいようと勝手でしょうに」

ミズキはそんな事を言って自分を『破壊神』と言った奴めがけてフォースインパクトを撃ち込む
そいつはなんとかその攻撃を回避したがそれを予測してドラゴンテイルで飛び込んできたミズキの餌食となる
さらに止めのヘビースマッシュで崩れ落ちた
おそらくこういった行動が敵から恐れられ語り継がれて『破壊神』と呼ばれるのだろう
さすがにこれを見た敵兵士たちは橋の向こうまで一気に後退を始める
それと共に下がっていた自軍兵士が前進し始めてまた防衛ラインが構築された



「悪魔を見た…アレは間違いなく悪魔だ…止めを刺した死体の髪を掴んで引きづりながら低い唸り声をあげてこっちに近づいてくる俺はあの時のあいつの目を生涯忘れる事が出来ない」

そう語ったという…そして『破壊神』から『魔人』へと呼び名が変わったという…

ミズキはある程度防衛ラインが完成するまでその先頭で敵に睨みを利かせていたが
ある程度の所で下がるとアイナの元へと走った

「大丈夫だった?」



「ごめんなさい…周りを全然見てなくて」

「いいのよ…最初はそんなものよ♪でもいい勉強になったでしょ?前線もそうだけどこういった戦術ラインはね生き物みたいなもので刻々と状況が変わるのよ…それを見極めて行動するのが戦場の鉄則!忘れちゃダメだからね」

ミズキはそう言ってアイナの頭を撫でる…その時

「ミズキ…悪いんだけど前線が押され気味でね…ちょっとだけ手を貸してくれないか?」

チャットでリアがそう言ってきた

「うーん…今日は僻地でのんびりしようと思ったのになぁ…」

ミズキは苦笑いでそうつぶやくと

「いい!無理はしない事、周りの状況をよく見る事!私ちょっと前線に向かうんで約束だからね」

ミズキの言葉にアイナはうなずいて返事をする
それを見たミズキは親指をビシっと立てて走り去った
その後アイナはクリスタルを掘っては回収に来るナイトに渡す裏方作業を繰り返した
初心者のアイナには戦況がどんな状態なのかがわからないためそれしかできなかった
その時…

「A7、B8外周オベ…ネズミ2匹!誰か急行して!」

そんなチャットが飛び込んできた

「ネズミ?」

アイナが掘りながら首をかしげると
ずっと黙々と隣で掘っていたソーサラーの男の人が

「ネズミってのは敵地に潜り込んで建築物を壊そうとする輩さ」

「えええ!潜り込めるの?」

それを聞いたアイナが驚きの声を上げて聞き返した

「だいたいはハイドで入り込むスカウトか…ナイトで巡回するふりをして飛び込む奴かな…」

アイナは攻撃を受けているオベの事が気になったが
ミズキとも約束をしたので掘り続ける事にした

「A7、B8オベ到着…おい!索敵ちゃんとやってたのか?2人ともセスだ!排除は俺がやるから至急セスを回してくれ!次来られたら両方とも折れるぞ!」

「こちらG5エリア…申し訳ないが現在敵エリアのオベ破壊に入っているためちょっと戻れない!」

「E4中央島!こっちもエクリプス破壊で戻れない」

「スマン!D3もAT破壊中で押してるから戻れない」

「回復だけできればいいんだ!手の空いたセスタスはいないのか?」

チャットでそんな会話が飛び交っている
アイナはクリスタルを掘りながら思わず胸を押さえた
その時…

「アイナちゃん…行ってあげて♪…そのかわり回復に没頭しちゃダメよ!周りをよく見てヤバくなったら退くんだからね!」

チャットからそんなミズキの声が聞こえてきた

「こちらB5クリ…セスタスですA7、B8に急行します!」

アイナはチャットでそう言うと現地に向かって走り出した

「おおお!頼むぜ!到着するまでにはこのセスタス共を排除しとくんで!」

「お願いします!」

アイナがそう答えると

「こちら前線ミズキ!その子はうちのかわいい新人だからね!きっちりバックアップしてよ!もしも泣かすような事があったら裸にして広場に吊るすからね!」

「げ!マヂかよ!おい聞いたか!吊るされたくなかったら索敵頼むぜ!こいつらを排除しても必ずまたアタックしかけてくるはずだ!」

「了解!」

「よし!うちの子は任せたからね!その代り痛めつけられたオベの分はきっちり倍にしてへし折る!前線押し上げるからセスさん続いて!」

「G5セス了解!前線に合流する!」

「D3了解!」

「E4中央島…今エクリプスを建ててるそれが終わったら急行するぜ!」

こんなやり取りを聞いていると勇気が湧いてくる…アイナは唇をキュッと引き締めると速度を上げた
アイナの視界にA7のオベが見えた時

「ちょっと手間食ったが2匹排除完了!…新人セスさん頼んだぜ!」

「はい!がんばります!A7到着!回復はじめます!」

アイナはそう答えてA7のオベに飛びこんでサクリファイスを使って回復を始めた
数分後A7のオベリスクの修復が終わる

「A7オベの修復完了しました!B8に向かいます!」

アイナはチャットでそう告げてB8のオベに向かう
幸いにもB8はかなり近い位置にあったためすぐに回復を始める

「B8オベ回復開始しました…ただちょっと時間がかかりそうです」

「ご苦労さま!…今どれくらい?」

「20%切ってますね…この子」

「そっか…修復がんばってね」

「はい♪」

アイナは元気よくそう答えた
しかし…この建築物を補修するサクリファイスという技は自分の体力を減らすので
連続で使用する事は出来ず…時折回復を待たなければつづける事は出来なかった

「やっと40%かぁ…」

アイナは肩で息をしながら額の汗をぬぐいその場に座り込んで休憩を始めた時

「こちらE5崖下!今ナイトが4匹駆け抜けていった!…おそらくオベ狙いだ警戒してくれ!」

「了解!キープから増援まわします!」

「こちらキープ!B8のセスさん状況は?」

「40%まで回復したところですが…続けられなくてゴメンナサイ」

「今そっちに敵ナイトが4匹向かってるの40%ならすぐに折られる事はないと思うから見えたら注意してね!今こっちからも行けるだけの増援まわしたけど…たぶん敵の方が早いから!」

「はい…了解しました体力回復したんでギリギリまで回復させます」

アイナは返答すると修復を再開させた

(「お!見えたよアレね…って2匹しかいないけど…」)

「ほんとだ…2匹だね」

アイナが目視で向かって来るナイトを確認した時

(「ゴメン!後ろ!すぐ右に避けて!」)

アイナはその声に反応して体を右に動かした
そこにフォースインパクトが飛んでくる…間一髪だった

(「なるほど…こっちが一旦退くのは折込済みでそうはさせないってわけね…後ろは私が見てるから…!!!左!何かいるファイ!」)

もう1人のアイナが不自然に折れ曲がった草に気が付いてそう声をかけた
アイナは顔の向きを変えずに左方向にファイを放つ

「グゥ!チッ!」

吹き飛んだのは短剣を持ったスカウトだった
近づいてきたナイト2匹は召喚を解除してセスタスへと戻った

「こちらB8…敵はセスタス2人、短剣を持ったスカウトさんと…大きな剣を持ったウォリアーさんです」

「退ける?」

「最初から囲むつもりだったみたいで…無理そう…ですね」

「了解!…オベをうまく盾にしてなんとか繋いで…増援はすぐ近くまで行ってるから」

「頑張ります!」

アイナはチャットにそう返事をして一瞬目を閉じる
そして今まで修復してたオベリスクに額をつけると

「ごめんね…ちょっとだけ助けて…」

そうつぶやいた
そして目を開けると同時にスタイルを対人用のルプスへと切り替えた


…『To Be Continued♪』





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Last updated  2013/12/15 04:54:00 AM
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