殿上人日記

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2007年07月05日
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カテゴリ: 長野、山梨の旅

戦没画学生慰霊美術館1

  まるで水底にいるような、圧迫感を
  感じながら、その薄暗い空間に掲げ
  られた、彼らの生きていることの証
  夢も、希望も、喜びも、悲しみも
  憤りも、愛をもこめられたような
  作品の数々を、目でたどろうとした

  しかし、どうしても目の前にある
  作品自体ではなく、その下に書かれた
  説明文に視線が奪われてしまう


  山之井龍朗(兄)昭和20年5月○日
  フィリピンルソン島にて戦死。享年24歳  

  山之井俊朗(弟)昭和19年4月○日南方へ
  向かう輸送船爆沈のため戦死。享年21歳


戦没画学生慰霊美術館3

  画家を志した仲の良い兄弟は、生きて
  故郷の地を踏むことは無かった

  念願だった美術学校にも入学をして
  これからという時に、召集がかかり
  思うような絵を一枚も描けなかったと
  嘆きつつも、戦場に散った青年

  父には日本男子の本望と語りながら
  前線に向かう前日に、訪ねた母には
  「生きて、もっと鋳造作品を作り
  たかった」と、本音をもらした青年

  あと5分、あと10分、この絵を
  描きつづけたい。生きて帰ってきたら
  必ずこの絵の続きを描くから。しかし
  完成をすることが無かった絵だけが残る


戦没画学生慰霊美術館2

  戦没画学生慰霊美術館「無言館」に
  ついては、以前に、このブログでも
  取り上げた事があるが、先日、信州
  上田にある無言館に訪れることが出来た

  彼らの残した生きた証を、戦後も保存を
  されていたご遺族。中には、青年が亡く
  なった病院の関係者が、捨てるに忍びなく
  長らく保存をされていた作品もあるという


初夏の花2

    ああおとうとよ 君を泣く
    君死にたもうことなかれ
    末に生まれし君なれば
    親のなさけはまさりしも
    親は刃(やいば)をにぎらせて
    人を殺せとおしえしや
    人を殺して死ねよとて
    二十四までをそだてしや

  日露戦争に出兵をした弟を嘆く、与謝野
  晶子の「君死にたもうことなかれ」が
  頭の中でぐるぐると渦巻いていた

  今度は、彼らの作品を見ようと思い、また
  館内を一周をした。それでも、なかなか
  その場を離れることが出来なかった


初夏の花1

  温泉帰りの高齢の団体客が、むごい話だのぉ
  などと見学をしていたが、彼らと同じくらいの
  若い人たちにこそ、彼らの絵を見てほしい
  自由に生きることが、どれだけ幸せであり
  自分達には、限りない可能性があるのを
  自覚をしてほしい

  余談だが、硫黄島からの手紙の映画の中で
  妻子の為にひたすら帰還を願い、妻あての
  手紙を書き続ける若きパン職人の西郷を
  助け、無意味な自決、特攻を許さなかった
  栗林中将は、 真田藩のご城下である松代の
  郷士の家に生まれたという


大樹

  藤田嗣治に師事をし、二科展にも入選した
  椎野修はビルマで戦死をした。彼はつぶやいたそうだ

      空も海もこんなに美しい。それなのに
      人間はどうして戦争なんかするんだろう

                        享年31歳


           平成19年6月25日午後、上田で撮影





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最終更新日  2007年07月05日 18時35分04秒 コメント(49) | コメントを書く


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