SkiingSky

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December 12, 2007
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カテゴリ: 経済談義
(↓続き)

…と、いうのが理論だけど、さて本当にそうなのだろうか?

偶然、スワップ派の野村先生のレポートのバックナンバ(http://www.gaitame.com/gaitame/nomura/report_index.html)を全部読めることに気づいて、最初(2003年)から全部読むということを最近している。

今のところ3日間を費やして未だ2003年5月あたりにしか到達していないけれど、気分転換に興味を惹かれたタイトルをクリックして読んだりしていたら、1971年からのニューランドと日本の金利動向を載せているのを発見した。

これはかなり貴重なデータで、2002年や1998年くらいからの直近5年10年くらいの動きはよく見かけても、それ以前は見たことがなかった。

何が言いたいかという、金利差がわかればスワップが算出できる!さらにレートのデータは既にあるから、本当にスワップは為替差損で相殺されるのかを検証することができるのだ。

これは面白いな、と思って、データをエクセルに入力して計算し、グラフを描いた。

金利差
まず一枚目が、素直に金利差。
気づくのが円のゼロ金利政策が長期に渡って続いていることだが、もうひとつ大切なのが、1970年代前半は円のほうが金利が高かったことだ。これは知らなかった。



キウイ円
二枚目がキウイ円のチャート(ローソク足じゃないから、グラフかな)。

なんと、30年前は1NZドルが400円だったのだ。
以後凄まじい円高トレンドが続き、各国当局が過度な為替変動を嫌うようになった近年はほぼ50円~100円のレンジといえる。

スワップ年
次が、レートに金利差を掛けて算出したスワップポイント。

本当は日割りでつくけれど、一年間の総額を出している(365で割った後に365を掛けても同じ)から、一年間ポジションを持ち続けた場合にいくら持値が下がるかを表している。

ここ最近は、ほぼ5円ずつ持値が下がる(プラススワップ)ということがわかる。

累積スワップ
次が、1970年からのスワップを足していくとどうなるかを示したグラフ。

序盤は円金利のほうが高いためマイナスのスワップが溜まっているが、徐々に逆転し、近年は一貫して(年5円ペースで)増えるばかり。
えーっともう疲れたぞ[笑]。

加算後資産
最後が、その年のレートに累積スワップを足したもの。

これは簡単に言うと、1971年にキウイ円を当時のレート375円でロング(買い持ち)したものがその年にいくらになっているかを表している。



そう、だから、375円から現在のレート80円までで為替差損が300円弱。
ただしスワップが100円分のプラスで200円くらいしか損してないことになる、って話。


しかぁし!ちょっと待ってほしい。

忘れてはならないことがひとつ。
それは、序盤に金利差が逆転していたことだ。


低金利通貨売りの高金利通貨買い戦略でスワップを取りにいく手法が為替差損で否定されるのかを調べたいのに、序盤もキウイ円のロングでは、低金利を売っておらず、高金利を買っていない。

すなわち、金利差が逆転する1976年まで、キウイ円のショートというプラススワップのポジションを取っていたとすると、375円から275円までの円高は為替差益になる!

特に意味はないけれど計算すると、金利差逆転によってドテンする(ポジションをひっくり返す)までに為替差益が100円、ドテン後は為替差損が200円で、トータル100円の為替差損。

スワップは全部プラスになり、ドテン前が70円ほど、ドテン後が170円ほどで、トータル240円のプラス。

おお、140円儲かってるではないか!ちゅうわけだ。


もちろん、過去を検証しただけで今後がわかるわけではないけれど、参考までに知っておくと楽しいかも。

結論としては、1970年から円売りしてれば儲かった!っていうのは、(対キウイに関しては)違う。

しかし、プラススワップの方向にポジションを持っていれば為替差損はあるけれど、スワップで相殺どころか多くもらえて利益は出る。

ただ所詮ゼロサムゲームの通貨交換、長期だからと言って投資とは言いがたいし、株より不利だよねぇ…[笑]。

最後に、注としては、単純に足してるだけだから複利になってないとか、長期債を買う場合は利率が良いからもっと儲かるとか…。





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Last updated  December 12, 2007 06:59:36 PM
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