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サンフランシスコで発生した女子大生霜村瑠衣の失踪事件。彼女の父は厚労省の元官僚で、そのパイプを使って領事館に娘の捜索を依頼してきたのだ。彼女が行動を共にしているとみられるボリビアからの留学生ロベルトは市警からテロ関係者として疑われている。このままでは彼女の立場も危惧されるが、肝心なところで霜村は何かを隠したまま。邦人保護担当領事・黒田の次の手は・・・ 『アマルフィ』の続編にして、テレビドラマ『外交官 黒田康作』の原作小説。ですが、ドラマと原作の関係としてはあまりにも遠くかけ離れ、もはや別物です。黒田の設定以外は辛うじて登場人物の名前ぐらいしか一致しません。どうしてこういう違いが生じたのか、気になるところです。 ということで、ドラマを楽しんだ人が読むと違和感が大きいと思われる作品なのですが、これ、どこをどう見ても小役人シリーズです。どんどん大きくなる疑問、省益のために奔走する怪しい小役人たち。外務省と警視庁の対立だけでなく捜一と外事の主導権争いなどの要素も加わり、複雑な人間関係が形成されています。このあたり、いい意味で真保さんらしい仕上がりかなあと。事件の真相も、そのあたりがしっかり絡められたものになっています。 ただし、構築された物語世界の大きさと比較すると、事件の真相はやや小さく、拍子抜けした部分もあります。大山鳴動して鼠一匹というような印象は拭えません。あ、一匹というのは言い過ぎかな。 『アマルフィ』同様に黒田の活躍は凄まじく、小役人という言葉が持つイメージの域を逸脱しているようにも思えます。ついでに言えば、捜査権のない外交官の権限からも逸脱しているのではないかと。警視庁への捜査協力ということが盛んに強調されていますが、それを差し引いてもやり過ぎという印象です。 次回作は『アンダルシア』とのことですが、またも海外で大活躍する黒田を目にする日も近いようです。映画も小説も楽しみにしたいと思います。関連作:『アマルフィ』2011年3月5日読了
2011.03.29
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