乱筆乱文縦横無尽

2009年10月06日
XML
カテゴリ: 読書日記

とはいえ、木曜日だけは絶対休みたい今日この頃です。


さて、今日紹介するのは、9月25日に読み終えた『日本の深層文化』です。著者は考古学者として知られる森浩一さんです。


本書の表題ともなっている「日本文化」とは、幾重にも重ねられたイメージによって、その本質的な部分が見えなくなっています。著者はその該博な知識によって、「日本文化」の深層をさまざまな角度から探り当てようとします。本書は、学術性を保ちつつも、まさに縦横無尽に深層をえぐろうとする面白いエッセイでした。

まず初めに説かれるのは、弥生文化を稲作で表象することへの疑問です。著者は粟(あわ)の重要性を考古学的な知見にとどまらず、さまざまな文献資料からも指摘していきます。このあたりが目から鱗が落ちる思いです。

さらに鹿や猪への古代人の見方も述べられます。とくに鹿を狩りの獲物や食材という観点から見るのではなく、『日本書紀』や『風土記』の記述から、人間による土地の支配の証左として鹿狩りがおこなわれることを例示し、神(鹿)による人間の土地支配の認定という解釈をおこないます。


このあたりを読んでいて頭をよぎるのは、やはり宮崎駿監督の名作『もののけ姫』です。映画に登場する「シシ神」もまさに鹿の姿に描かれており、自然が原生林(人間の手の及ばない自然)から里山(人間に暮らしやすい自然)に変化していく象徴として、シシ神の死が描かれたことを想起しました。

本書では話題があちらこちらに飛ぶため、その点は読みにくいと感じることもありましたが、とても興味をそそられる内容ばかりでした。

というわけで、森浩一さんの著作は他にも手を出しています。そちらはまた改めて紹介します。



日本の深層文化
筑摩書房(ちくま新書) 2009年 ★★★★★



もののけ姫 (楽天ブックス) ★★★★★(文句なし!)





にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ
にほんブログ村





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009年10月07日 03時35分52秒 コメントを書く
[読書日記] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Calendar

Profile

Sonic

Sonic

Archives

2026年10月
2026年09月
2026年08月
2026年07月
2026年06月
2026年05月
2026年04月
2026年03月
2026年02月
2026年01月

Comments

おこめ@ Re:中島京子 『ハブテトル ハブテトラン』(05/11) 突然のコメント失礼します。 人違いであれ…
逆立ち天子6189 @ Re:斉藤光政 『偽書「東日流外三郡誌」事件』(07/05) 東日流三郡誌を真書とした古田氏は残念で…
悪女6814 @ Re:ジノリのプレート(ロイヤルブルー)(05/22) おはようございますヽ(*´∀`)ノふぉろーし…
尼尊太郎@ Re:金容雲 『日本語の正体』(11/09) こちらを見てください。 韓国の学界でも…
Sonic @ こんばんは コメントありがとうございます。 本書…

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: