乱筆乱文縦横無尽

2010年01月10日
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カテゴリ: 読書日記

新年早々、単調な日々です。


最近、YouTubeの自主規制を断行しました。見始めると、あまりにもダラダラと時間が過ぎてしまい、結局TVをぼんやり見ているのと同じ。見るのを止めたら、とたんに読書時間が増えました机上の「積読本」をとっとと整理したいと思ってます。


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今日は12月27日に読み終えた『 世界同時不況 』を紹介します。著者の岩田規久男氏は、経済学の入門書を数多く執筆している経済学者です。すでに何冊か読んでいますが、ようやく徐々に理解できるようになりました



世界同時不況  筑摩書房(ちくま新書) 2009年 ★★★★☆


本書では2008年9月の世界金融危機の主因となったサブプライムローン問題から説き始め、 アメリカの金融危機がなぜ世界的な金融危機に展開したのか 、さらに それが世界同時不況にいかにして発展したのか グローバル恐慌 』で学習済みです。



グローバル恐慌  岩波書店(岩波新書) 2009年 ★★★★☆
※著者は浜矩子氏。本書に対する経済学者による批判的な書評を見かけたことはありますが、一般人にはわかりやすかったです。


本書の中盤では、今回のような世界的な不景気から脱するための方策を考えるために、1929年以降の世界恐慌などの過去の恐慌・不況が紹介されます。そこでは日本の昭和恐慌やバブル崩壊後の長期不況なども説明してくれているので、身近なところで理解することができました。そして著者からは、「 金融危機を原因とする不況は、他の原因による不況に比べて、深く、かつ、長引く傾向がある 」(p.64)と、ちょっと怖い予測も示されました


こうした不況から日本が脱出するための金融政策が本書の終盤で提言されます。それは、 日銀による大量の国債買いオペ です。著者は市場における貨幣供給量を増大させる方策として、過去の日銀の量的緩和政策の効果が薄かったことを指摘します。そして、国債の発行による市場からの資金の吸い上げを阻止するために、日銀による国債買い入れを実施し、それによってさらなる量的緩和を実施することの有効性を示しました。さらに、 インフレ目標を政府が示す ことでデフレからの脱却を訴えました。


金融政策に関してはまだ理解が十分ではないため、著者の意見がどれだけ現実的な政策なのかも判断できませんし、そもそも理解出来ていない気もします。しかし、1990年代以降の日本経済の長期停滞が、現代の格差社会の遠因であることを思えば、従来通りの政策では何も状況が変わらないことは明らかです。これまでとは違った政策手段を考え、そして実行すべき時期に来ているのではないでしょうか。


最後に、近代史を学んだ人間として一言付け加えると、著者は石橋湛山の「小日本主義」を高く評価し、「 湛山の主張はリベラリズムとリアリズムの融合に発している 」(p.135)、「 湛山の考え方が多数の国民に受け入れられたならば…日本は戦後の高度経済成長を三〇年代から四〇年代にかけて実現しえたであろう


ここでの著者の視野は、あまりに経済的側面にのみ限定されています。 国民の政治的自由が厳しく制限された明治憲法下での高度経済成長に、いったいどれほどの意味があるのでしょうか 。これは、都市部と農村との間で日本以上の格差社会となっており、官僚による汚職・腐敗が蔓延している 現代中国が今まさに直面している問題 です。政治的自由がないために国民が経済的欲求を満たすためだけの存在となり、国民が「公」を批判できない反民主主義的な状況を良しとするのでしょうか。もちろんそんなことはないと思いますが、湛山の政治的主張を取り上げたのはやや蛇足に感じました。


最後は生意気に批判してみましたが、本書は現在の景気に対する解説、そして具体的な政策提言という点で、実にわかりやすく読めました。専門的な難しい本には挑戦できませんが、著者のこうした概説書は今後も読み続けたいと思っています。


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Last updated  2010年01月10日 21時34分40秒 コメントを書く
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おこめ@ Re:中島京子 『ハブテトル ハブテトラン』(05/11) 突然のコメント失礼します。 人違いであれ…
逆立ち天子6189 @ Re:斉藤光政 『偽書「東日流外三郡誌」事件』(07/05) 東日流三郡誌を真書とした古田氏は残念で…
悪女6814 @ Re:ジノリのプレート(ロイヤルブルー)(05/22) おはようございますヽ(*´∀`)ノふぉろーし…
尼尊太郎@ Re:金容雲 『日本語の正体』(11/09) こちらを見てください。 韓国の学界でも…
Sonic @ こんばんは コメントありがとうございます。 本書…

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