乱筆乱文縦横無尽

2010年01月13日
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カテゴリ: 読書日記

今宵は爆睡します。明日はお酒を飲みます。読めるだけ本を読みます。そして次の休みは、2週間後の28日なのでしたキツイ


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今日は昨日紹介した『警官の血』と同じく、今年1月1日に読み終えた 『聖灰の暗号』 を紹介します。作者は私の好きな帚木蓬生(ははきぎほうせい)氏。数々の名作に与えられた 山本周五郎賞 の受賞作家です。



聖灰の暗号(上巻) 聖灰の暗号(下巻)  新潮社(新潮文庫) 2010年 ★★★★★


閉鎖病棟 』や『 インターセックス 』などの傑作で知られる帚木蓬生氏の本職は精神科医。医学にまつわる物語を数多く執筆していますが、その一方で歴史をモチーフにした物語も少なくありません。本作はキリスト教の異端とされて弾圧された カタリ派 を題材にした大作です。



閉鎖病棟  新潮社(新潮文庫) 1997年 ★★★★★(傑作)



インターセックス  集英社 2008年 ★★★★★(性は2つではないと知りました)


カタリ派とは中世の南仏で栄えたキリスト教の一派です。11・12世紀に異端と宣告され、13世紀には十字軍による討伐対象となりました。これが アルビジョア十字軍 で、キリスト教徒によるキリスト教徒への十字軍です。そして南仏のトゥールーズが激戦地となりましたが、カタリ派を保護していた領主はあえなく教皇庁に屈服。その後、約100年間でカタリ派の信徒たちは異端審問によって火刑に処せられてしまいました。このカタリ派の研究をおこなう日本人歴史学者が物語の主人公です。


歴史学者の須貝彰は南仏を訪れた際に、ある図書館でカタリ派に関する文献を見つけます。それはカタリ派に同情的な教皇庁の人物「レイモン・マルティ」による手記で、カタリ派の弾圧の様子が表現豊かに記されていましたが、全文がみつかったわけではありません。須貝はそうした調査の途中結果をパリで発表しますが、その後図書館長などの関係者が不審死を遂げました。そして関係者の死の背後には、ある組織が見え隠れします。組織とは何か、手記の全文は果たして見つかるのか。そうした謎に迫っていきます。


この物語を読んでいる間に頭から離れなかったのは、物語の主題ではなく、実は語学のこと。主人公はフランス語だけでなく、南仏で話されるオキシタン語(オック語)を操る人物という設定。語学ができると、世界が小さくなります。英語ですら不十分な私には、読んでいる間ずっとうらやましく感じていました


さて本題のカタリ派についてですが、作中作となる 「レイモン・マルティの手記」 が余すことなくその悲劇を表現しています。手記の分量は約140ページ。この小説全体の 約5分の1 宗教(信仰)が人の心に安寧をもたらさず、自己と他者を分別する道具として用いられ、中心と周縁、さらには正統と異端という名の下に、自己の正当性を補強するために他者の生命を代償とする狂気の時代。すでにこの世にはいないカタリ派の人々のことを思い、読んでいてとても悲しくなりました


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Last updated  2010年01月14日 03時35分43秒 コメントを書く
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おこめ@ Re:中島京子 『ハブテトル ハブテトラン』(05/11) 突然のコメント失礼します。 人違いであれ…
逆立ち天子6189 @ Re:斉藤光政 『偽書「東日流外三郡誌」事件』(07/05) 東日流三郡誌を真書とした古田氏は残念で…
悪女6814 @ Re:ジノリのプレート(ロイヤルブルー)(05/22) おはようございますヽ(*´∀`)ノふぉろーし…
尼尊太郎@ Re:金容雲 『日本語の正体』(11/09) こちらを見てください。 韓国の学界でも…
Sonic @ こんばんは コメントありがとうございます。 本書…

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