乱筆乱文縦横無尽

2010年01月29日
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カテゴリ: 読書日記

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さて、今日は1月19日に読み終えた『 秀吉を襲った大地震 』を紹介します。副題は「地震考古学で戦国史を読む」です。著者の寒川旭(さんがわあきら)氏は「 地震考古学 」という新しい学問の提唱者です。



秀吉を襲った大地震  平凡社(平凡社新書) 2009年 ★★★★☆


まず、本書を手に取ろうとする人は、本書が歴史学の本ではなく、地震と考古学の本であることを間違えないでください(←思いっきり間違えて買いました)。


本書は、豊臣秀吉や戦国時代を直接対象とするのではなく、1586年の天正地震と1596年に起こった伏見地震による被害やその政治的影響が扱われています。これらの大地震はまさに秀吉の治世下の近畿地方を襲ったものであり、日本史に与えた影響も少なくありません(たとえば、伏見地震のおかげで加藤清正の命が助かったりとか…)。そしてこれらの大地震の被害を考古学的に検証したのが本書です。


液状化現象 の様子についてです。液状化現象とは地震による揺れで地盤が液状になることですが、本書には地中の砂礫が地表に向けて吸い上げられように上昇しているのが写真によって明らかに示されます。これでは秀吉のつくった方広寺の大仏もひとたまりもありません。


本書で知った事実として面白かったのは、 地震を鯰(なまず)と形容した最古の史料が、秀吉の直筆史料だったということ です(pp.94-95)。そして、秀吉はせっかくつくった大仏が伏見地震で倒壊したことに腹を立て、大仏に矢を射かけたことも書かれていました(p.116)。


本書を読んで、大地震(天災)と政治史の関係に目を向けた歴史学というのも面白いと思いました。近くは、社会党(当時)の山花貞夫氏が、リベラル勢力を結集して新党を構想したことがありましたが、新会派を結成したその日に阪神・淡路大震災が発生したため、この動きは進展することなく終わってしまいました。もし、地震がなかったら、翌年の民主党の結党にも大きな影響を与えたことと思われます。


ここまで書いて思いましたが、学問にはなりそうもないですね


著者の寒川旭氏には、すでに『 地震の日本史 』(中公新書)という著作もあるようです。そちらも今後手にしてみたいと思います。



地震の日本史  中央公論新社(中公新書) 2007年


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Last updated  2010年01月30日 01時54分38秒 コメント(2) | コメントを書く
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おこめ@ Re:中島京子 『ハブテトル ハブテトラン』(05/11) 突然のコメント失礼します。 人違いであれ…
逆立ち天子6189 @ Re:斉藤光政 『偽書「東日流外三郡誌」事件』(07/05) 東日流三郡誌を真書とした古田氏は残念で…
悪女6814 @ Re:ジノリのプレート(ロイヤルブルー)(05/22) おはようございますヽ(*´∀`)ノふぉろーし…
尼尊太郎@ Re:金容雲 『日本語の正体』(11/09) こちらを見てください。 韓国の学界でも…
Sonic @ こんばんは コメントありがとうございます。 本書…

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