乱筆乱文縦横無尽

2010年02月11日
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カテゴリ: 読書日記

読み始めたのは、宮部みゆきさんの『楽園』。文庫化を首を長くして待ってました。相変わらずの細かい人物描写です。こういうのが「タルい」と感じる人もいるのでしょうが、私は好きです。上下巻の大作ですが、何とか今日中に読み終えたいと思ってます。ムリかな



楽園(上) 楽園(下)  文藝春秋(文春文庫) 2010年


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さて今日は、2月1日に読み終えた『 清水次郎長 』を紹介します。副題は「幕末維新と博徒の世界」。 維新と博徒の取り合わせという荒業です が、きちんとした歴史の本です。



清水次郎長  岩波書店(岩波新書) 2010年 ★★★★☆


著者の高橋敏氏は『 国定忠治



国定忠治  岩波書店(岩波新書) 2000年(残念、品切れです)


本書は、幕末の任侠として知られる清水次郎長を歴史学の手法でその人柄を炙り出そうという意欲作です。当然、このような人物の史料が多く残っているわけもなく、次郎長の養子天田愚庵による『東海遊侠伝』という伝記を史料批判をおこないながら活用しています。


私自身が清水次郎長という人物に関してまったくの無知であったため、本書には驚くことばかりが記されていました。まず、 次郎長と幕臣山岡鉄舟が懇意であった ことです。鉄舟といえば、戊辰戦争時の江戸無血開城に尽力した人物として知られていますが、前掲の『東海遊侠伝』を記した天田愚庵を次郎長に引き合わせたのが鉄舟その人でした。この二人の交流は実に面白く、次郎長が鉄舟に送った手紙も本書には掲載されています(pp.214-215)。なんとも可愛らしい字です


また幕末維新の混乱期に、武士以外の即戦力として次郎長のような博徒(任侠)が新政府・旧幕府の両軍に登用されているのも興味深い事実です。そして、その多くは戦乱の犠牲になってしまいました。次郎長自身はこれに関わることなく過ごしたおかけで、天寿を全うしています。


こうした任侠の組織力が政府への反発と結びついて起こったのが、自由民権運動の数々の激化事件です。最大の激化事件である秩父事件は、首謀者が博徒の親分として知られた田代英助です。博徒がそうした役割を務める伏線には、幕末の動乱があったと考えてよいのだと思いました。


本書はあくまでも清水次郎長の実像を描こうとする著作ですが、読んでいて常に脳裏に浮かんでいたのは、 日本史上の「無頼」の系譜 です。古くは鎌倉時代の 悪党 や、戦国末期の 傾奇者 、そして江戸期の 任侠(侠客) です。これに近現代のヤクザを加えてもいいかもしれません。これらは単線的に結合しているわけではありませんが、行動様式には確実に共通性があります。こうした輩が勢力を伸ばす時代の条件などを調べ上げると面白い研究になるかと思ってしまいました。もちろん、ただの思いつきであって、自分でやる気はまったくありません


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Last updated  2010年02月11日 21時33分56秒 コメントを書く
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おこめ@ Re:中島京子 『ハブテトル ハブテトラン』(05/11) 突然のコメント失礼します。 人違いであれ…
逆立ち天子6189 @ Re:斉藤光政 『偽書「東日流外三郡誌」事件』(07/05) 東日流三郡誌を真書とした古田氏は残念で…
悪女6814 @ Re:ジノリのプレート(ロイヤルブルー)(05/22) おはようございますヽ(*´∀`)ノふぉろーし…
尼尊太郎@ Re:金容雲 『日本語の正体』(11/09) こちらを見てください。 韓国の学界でも…
Sonic @ こんばんは コメントありがとうございます。 本書…

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