乱筆乱文縦横無尽

2010年03月03日
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カテゴリ: 読書日記



今日は深夜に楽しみが一つあります。それは4日が 『ワンピース』の57巻の発売日 だということ。0時を回ったら、コンビニに走って行って買ってきますその前に56巻を読み返しておきます


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さて、今日は2月21日に読み終えた『 聖徳太子 』を紹介します。ここのところ関心を持って読み続けていた大山誠一氏の 聖徳太子非実在説を真っ向から否定する著作 です。著者の吉村武彦氏は明治大学の教授で、岩波ジュニア新書の「日本の歴史シリーズ」の第1巻『 日本社会の誕生 』を著しており、日本の古代史学界の主流派の一人と考えられる研究者です。



聖徳太子  岩波書店(岩波新書) 2002年 ★★★★☆





本書を読んでいてとても驚いたのは、 参考文献リストの中に大山誠一氏の名前がまったくない ことです。大山氏は著書の中で、聖徳太子非実在説について「学問的な根拠をあげた反論は皆無」(『天孫降臨の夢』p.4)としていますが、 反論どころかまったく相手にされていない ことがわかりました。どうやら古代史学界では大山氏は異端とされているようです。それもそのはず、日本の戦後歴史学は近代天皇制への批判から出発しており、天皇制を「日本という島国に生まれた唯一の価値観」(『聖徳太子と日本人』p.202)と考える大山氏は、学界において無視されて当然の存在なのでしょう。


しかし、学説のみに目を向ければ、私は 聖徳太子非実在説の方に分がある と感じました。いくつかの論点はありますが、ここでは吉村氏も首をひねる「大化の僧尼詔」の内容を挙げておきます。


この詔で、孝徳天皇は仏教興隆を支援した人物として聖徳太子(厩戸皇子)の名を挙げず、蘇我稲目と馬子の名前を挙げるのみでした。これについて吉村氏は、「推古朝では、厩戸皇子は傑出した仏教理解者」としながらも、「『日本書紀』の段階では、厩戸皇子は仏教興隆上の歴史的人物とまでは評価されていなかった」(本書p.141)と苦しい解釈をしています。これは「聖徳太子」が架空の存在であったとすれば、何の問題もなく理解できる内容であることは言うまでもありません。


大山氏は聖徳太子非実在説を基にして、さらに 蘇我王朝説 も唱えていますが、これも本書を読んでいて頷ける部分を感じました。それは聖徳太子の整えたとされる冠位十二階の制についてです。冠位十二階の制とは、豪族単位ではなく個人に授けられた朝廷内の序列と一般に理解されています。これについて吉村氏は「 不思議なことに、当時権勢をほこった蘇我氏本宗には冠位は授与されていない。つまり、蘇我氏は授与する側にたち、王族とともに冠位十二階の秩序を超越していた存在ということになる 」(本書p.48)としています。これは図らずも、大山氏の蘇我王朝説を間接的に支援する形になってしまいました。


こうして何冊かの古代史の本を読んで、「聖徳太子はいない」とする聖徳太子非実在説の側が歴史的事実に近いと私も思うようになりました。しかし、この説が学界で主流派の座を占めて教科書の記述が変わるかといえば、それは 数年後ではなく数十年後のこと になるでしょう。その理由は前述の通り、大山氏が戦後歴史学の立脚点を無視しているため、学界に受け容れられる余地がないためです。聖徳太子実在説を「千年を越えるマインドコントロール」(『天孫降臨の夢』p.4)と強く非難する大山氏ですが、自らが天皇制のマインドコントロールに陥っていることも前述の通りです。





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Last updated  2010年03月03日 21時39分42秒 コメントを書く
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おこめ@ Re:中島京子 『ハブテトル ハブテトラン』(05/11) 突然のコメント失礼します。 人違いであれ…
逆立ち天子6189 @ Re:斉藤光政 『偽書「東日流外三郡誌」事件』(07/05) 東日流三郡誌を真書とした古田氏は残念で…
悪女6814 @ Re:ジノリのプレート(ロイヤルブルー)(05/22) おはようございますヽ(*´∀`)ノふぉろーし…
尼尊太郎@ Re:金容雲 『日本語の正体』(11/09) こちらを見てください。 韓国の学界でも…
Sonic @ こんばんは コメントありがとうございます。 本書…

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