2019.11.24
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嘘、ついたことありますか?

嘘か本当かっていう切り分け、難しいなとぼくは思います。

誰を会に招待したかしてないか。
ホテルから領収書を受け取ったか受け取っていないか。
そういう判断であれば、普通の判断力がある人間なら嘘か本当か切り分ける事ができるでしょう。
嘘つきかどうか明白です。

でも、その言葉は本心なのか?
と、示した意思表示や感情表現について、嘘か本当か切り分ける事は非常に難しいと思います。

芝居の話。

純心。純愛。
芝居の表現の一つでそれはアリだと思います。
その清々しさに感動する人もいるでしょう。

でも、リアルではないなとぼくは思います。
「(状況証拠から客観的に判断すると確かにお前に一番疑いがかかるのが妥当だとおれも思うけど、)おれはお前を信じる(と言いたい)」
とか、
「(確かにあの夜はあの女性に耳打ちされて理性がぶっ飛んだけど、)おれはお前を愛してる(と思うから許せよ)」
とか、
口にしている言葉以外の思惑が言葉の裏に潜んでいるのがリアルだとぼくは思うのです。

さて、空の驛舎の芝居はというと矛盾をはらんだ人間の佇まいを見せたいと思っています。
「いえ、何もないです」

それは、
「いえ、何もないです(、口にできることは。)」
というセリフかもしれません。
「いえ、何もないです
(、今、口にできることは。

時が来れば伝えるかもしれません。
あるいは、ずっと伝えることはないかもしれません。
でも、あなたにわたしの思っている事を伝えて、ただ肯定してもらえれば、わたしがこの部屋を出ていく事もなかったのでしょうけれど。)」
というセリフかもしれません。

もちろんセリフを聞いてほしいと思うのですが、
どちらを向いて言葉を発しているのか、瞬きが多いのか少ないのか、呼吸が深いのか浅いのか、
そんなところから相対している人の気持ちが伝わってくるのがリアルだと思うし、
リアルな人間の営みに愛おしさを感じたりしているのが空の驛舎という集団なんです。
と、わたしは思っています。

そして、稽古場で、一人で台本と向き合っている喫茶店で、
自分の役のことを探る作業に没頭する毎日を送っています。
稽古場日誌でした。





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Last updated  2019.11.24 19:13:19
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