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「躾(しつけ)」という言葉に皆さんはどう反応されるでしょうか?
昔のCMで「美しさを身につける、それが躾です」な~んてことを言ってましたが、躾という言葉は簡単ですが、動作や行為は難しいもんです。
塾で躾まで指導するところはほとんどありません。というか、皆無に近いでしょう。躾というものは元来「家」で身につけるもの。私が子供の頃は、学校へ行ったら先生に迷惑をかけるな!他の人を傷つけるな!モノは大事に扱え!先生の言うことは黙って聞け!など、今となっては当たり前のようなことをいちいち母親に口やかましく言われたもんです。それが中学生になると不思議なもんで「○○するな!」と否定語を連発されると無性に反発心が湧き出たもんです。もう一つは「○○しなさい!」という命令口調にも反発心が湧き出しましたねえ。
しかしながらクラブ活動では「○○しなさい!」という命令形でも先生に対して反発しませんでした。逆に先生も「しなさい」という口調はあまり言いませんでした。代わりに、「○○してみたらどうや?」という提案口調が多かったように思います。私は陸上部に所属していたのですが、中学の時は練習メニューまで自分で考えて実行していました。なぜならば、兵庫県大会で優勝することが目標だったからです。残念ながら県大会では2位が最高位でしたが、目標を持って自分で組み立てた練習をこなしていく中で、壁にもぶち当たりました。でも自分で立てた計画なんだから行き詰ったら先生に助け船を求めるのは良くないことだと勝手に思い込んでいました。
陸上部の顧問の先生(後の私の結婚式の仲人)はそんな折、私をこっそり指導室に呼び出して、状況を聞いてくださり、それに対する解決策を色々提案してくださいました。実はこのときに私の悪い癖というか柔軟性が無いというか・・・先生のアドバイスを素直に聞き入れて取り組んでみたらいいものを、先生は学生時代に砲丸投げの全国覇者だったので、ハイジャンプに関する知識は自分のほうが上だと過信状態なってしまっていて、聞きはするけど実効に移さず・・・という日々を送った。その結果、全国大会出場のための標準記録が当時1m85cmだったんですが、私は1m84cmという公式記録しか残せず、1cmに泣いたのです。3種競技Aという種目にも出場し、こちらは得点で順位を競い合うのですが、全国大会出場のためには2800点必要なんですが、2756点とあと44点に泣きました。44点というのはあと100mで0.5秒速く走れば突破できたんです。公式記録では私は12秒4というのがあるんですが、そのときの砲丸投げが12m54cmで最悪の記録。高跳びは1m83cmでベスト。しかしこの結果が2756点だったんです。砲丸投げ頑張っておけばな~と思っても後の祭りです。
躾とは全く関係のない自慢話を繰り広げてしまいましたが、この話の中で私が言いたいことは、「先生が命令せずに提案してくれた」ということです。家に帰ってきたら制服を脱ぎっぱなしでカバンも廊下に投げ捨てて外へ遊びに行くようになってから躾をつけなければ・・・と思っても、末期がん患者の治療と同じではないかと私は思うのです。では逆に何でもきちんとする子どもは躾が行き届いているのか?というとこれも実は疑問なんです。先生に対して敬語も使わず、まるで友だちとしゃべっているような感じで話をする子どももいますが、一概にダメとは言いません。
ポイントは「彼らの話をまず口を挟まずに最後まで聞いてやる」ことが大切なのではないだろうか?人間誰しも自己主張が強いものです。子どもが一生懸命自分の言いたいことを言っている。その話を途中で切られておまけに気分の悪くなるようなことを言われると子どもは「この先生は僕(私)のことに興味が無いんだ」と思ってしまうかもしれません。でも気をつけてください、話を聞くことは大切なんですが、子どもの話はよく途中で話題転換が行われます。一つの話題について、我々は一つの反応を見せることが大事です。ですから話題が変わったと思ったら、そのときはちょっと話を止めて今まで話していた話に対して結論のようなものを一緒に見つけましょう。注意すべきは、我々がその話の評価をしてはならないということです。
例えば、子どもが
「この間のテストの結果が返ってきて、英語が56点だった。」といったとしましょう。あなたならこの返答をどういいますか?
私は必ずこういいます。「そのテストが返ってきたときどう思った?」
すると子どもは「自分なりには頑張ったけど、覚え切れてないところがあったからもうちょっと頑張ったらよかったと思う」などといったとしましょう。そしたら私は「自分なりには頑張ったんだね、じゃあ次回のテストに向けてどうしようと思う?」と聞き返します。そしたら子どもはこうしようと思うというようなことを言います。最後に私は「じゃあ先生に出来ることは何かありますか?」と聞きます。そしたら子どもは○○の所がわかりにくいんで教えて欲しい、などといってくるでしょう。そしたら手を貸してあげるだけです。
実はこのやり取りは「コーチング」という書物をたくさん読んで得た知識の一つです。小学生はある程度躾をする意味でああしろ、こうしろ、は必要と思いますが、中学生になると一緒に”走ってくれるコーチ”が必要だと思っています。勝手に先先と走っていく講師(先生)はこれまでたくさん見てきましたが、一緒に走ってくれる先生はなかなかいないもんです。「私はちゃんと出来ている!」と思っている人ほど、放ったらかしにしている人が多いみたいですよ。現状で満足せずに常に向上心をもって子どもに接していきましょう。
躾・・・美しさを身につけること・・・
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