陽の上がるところは
常に東の空の向こうの
東の大地の遥かかなたの
東の海の遥かかなたの
不思議のかなた
たまに朝早く仕事で林道を車で走らせるとき
東のかなたの山の稜線から
朝日が上がるのを目にするときがある
遠いかなた
陽の上がる場所は
けして人の手に届くところにはない
不思議のかなた
山の稜線を赤く染めながら
ただものも言わずに、緩やかにその姿を現す
たれかむかし
この列島の地を日の本と言いはじめた人たちは
あの大陸の地から自分たちが流れてきたことを
どこかでまだ強く自覚していた人たちだ
大陸の強大な国の力や文化、
それと対抗して自らを誇るために
大陸の人々の視線でこの地を、列島の大地を
陽いずる国と呼んで
大陸の帝国と対抗しようとしたのだ
自らを日の本の国と呼ぶのは
彼らの劣等感の、むしろ裏返しである、
山仕事が終わり
日が沈むころに山を降りるとき
また遥かなかなたに日が沈んでいくのを見送るとき
ここは陽の本の国ではなく
陽の空を渡っていく国であることを自覚する。
赤々と西の空を染めて沈んでいく
夕日に対して、
私たちはただ敬虔にその姿を見つめるしかない
また明日もこの地を照らしてくれるよう
この空を渡ってくれるよう
祈るしかない
かれが、この私たちの大地にあるもの
ここは陽の本であるなどと
誰にも主張することなどできない
陽は神秘の存在である
この列島を日本という日本という言葉で表現するのは
その根っこに
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