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今更ながら、話題沸騰のGoogleによるDouble Click買収を、自分なりに考えてみる。
様々な人が様々な賛成・反対意見を言っている。
確かに、 2005年11月にTim O Reillyがweb2.0と1.0を比較した際
に、
リストの一番上にあったのが1.0=DoubleClick, 2.0= Gooogle AdSenseだったからコレだけ見ると、時代に逆行しているように見える。
しかし、Googleの動きは経営戦略としては極めて正しいと思う。その理由としては
1.今まで弱かったバナーや映像広告分野でNo.1になれる
2.上記と重なりますが、バナーや映像広告に出稿する広告主
(ロングテールなAdWordsに対してヘッドであるナショナルクライアント)
や彼らの代理店と親密な関係になれる
3.またまた重なりますが、広告主や広告主の代理店に対して、ワンストップで様々な広告メニューを提供できる
4.DoubleClick (旧Abacus Directを含む)の顧客データ解析技術を獲得
5.DoubleClick (旧Abacus Directを含む)の顧客データそのものを獲得
6.対Microsoft (Yahoo! や AOLもbidに参加していたなら彼らも)のブッロク・プレイ
7.これでネット広告で圧倒的No.1を築いたので、新規分野であるリアル広告にリソースを再配分できる
8.バナー広告等の配信技術の獲得(? 既にGoogleはDoubleClick同等レベルの技術力があったという声あり)
こんなところでしょうか?
上記6がやけに日経ではクローズアップされてましたが、勿論それはあるけれど、1,2,3の方が大きい気がします。
サーチワード広告は費用対効果だけをみると抜群。でも限界がある。
ブランド広告やイメージ広告を打つ時には適さない。
これはやはりTVや紙媒体が強く、webならバナーや画像広告。
自動車会社や飲料・食品会社などのナショクラからしてみれば、欲しいワードは全部買ったと。でもそれだけじゃ足りない。
「新車のイメージ」「ブランドイメージ」等々を伝えるには、費用対効果が
悪くても、そもそも効果測定がアバウトでも、やっぱりバナー広告やTV・雑誌広告が
必要。
Googleの高収益率の要因の1つは、この費用対効果が高く、かつ効果が計測できる
サーチワード広告での圧倒的地位を築き、更に人手をかけずに自動的に出稿から配信
までできてしまっている点ですが、成長を続けるために、多少利益率は落ちるが
より大きな市場(まずはバナー等のネット広告のヘッド部分、次はリアル広告)を
狙っていかざるをえなくなっている点も、今後のGoogle動向をウォッチする時に
覚えておきたいことです。
それにしても、ネットバブル時のシリコンアレーの代表選手が、
今頃、シリコンバレーの新たな代表選手に買収されたという点が、
この業界に長くいた者とはしては感慨深いです。
個人的にも、当時DCLK株に投資してそこそこ儲けさせてもらったので
それなりに愛着はあったんですが・・・
(メール配信はDARTよりPOEM愛用者でしたが)