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秋のお彼岸の中日には各地で祖先を偲び収穫に感謝するようなお祭りが各地で行われます。そんな中で旧東津野村の三嶋神社で行われた津野山古式神楽の奉納を見に行ってきました。この地は1200年近く前に藤原経高が京より津野山郷に入国して以来、独自の文化を形成しています。国の重要有形民俗文化財に指定されている高野の舞台と隣接した三嶋神社の間に特設のステージが設置されて奉納されるのです。この舞台には現存では全国唯一の鍋蓋上廻し式と呼ばれる廻り舞台装置がありますが、しかし今回の目玉はなんといっても17の演目全てを通して初めて演じてしまおうという事でしょう。
ただ全部をやるとなると8時間にもなり、今回の終了時刻も午前1時を回っていました。終わった時には演じ手も鳴り物役もみな自信というか満足感というかそんな表情からは、最後まで見とどけた観衆に大いなる感動と感謝の気持ちを一緒に与えてくれたはずでしょう。それは土一升(土一期)の気持ち(※たとえ耕す土が一升でも生涯守り続ける)でこの地を大切にして子孫に伝え続けることを奉納の基本としていると聞いたからに他なりません。地域の担い手がどこでも少なくなって、若者の気持ちを引き留めることが難しい今の時代にこそこの様に地域を揚げて取り組む事の重要性に神楽の奉納を通して皆に伝えられた事が、言い換えれば心の持続が少しでも保てればればなと感じながら、満天の星空を見上げながら思ったのです。