風・来・殿

2005.05.14
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その声が私の耳に響いた。
いつもいつも気になっていたあなたからのはじめて私にむけてくれた言葉。
それがどうしよもなく嬉しくて。
今でも忘れられない。


君 に 花 束 を 。


「わ、渡辺(わたなべ)先輩っ!」
「ん?真下くん…?どうしたの?」


部活の活動場所の器楽室で一人でピアノ練習をしていた。
もうすぐコンクールが近いので先生の許可を得て練習していた。
その声は走ってきたらしくて、息を切らしている。
真下くんは、私たちの学年の女子では、可愛い系としてモテている。
…確かに真下くんは、女の子みたいな顔つきだ。
色は白くて、整った顔立ちに大きな瞳に、まつげ長い。
背は私とそう変わらない。
私が大きいというわけじゃなくて、真下くんが小さい。
女子並みの身長から、先輩達から可愛がられている。
……実際に私はその一人で真下くんが好きだが。

「えっと、俺…先輩にピアノ教えてもらいたんですけど…」


仕草とか口調とか性格が余計に可愛いといわれる理由なのだ。

「え?私?私なんかより上手い子いるからその子に頼めばいいじゃないの?私が紹介するけど?」
「せ、先輩じゃなきゃ駄目なんです!」

そう力説する真下くんは真剣だった。
でも、どうして私なのだろう。


「何で?」
「それは……先輩のピアノに惚れたから…」

真下くんが顔を赤らめながら照れくさそうな顔を俯いて隠す。
私はただピアノを弾いただけなのに、そのピアノに真下くんが惚れた…?

「え?嘘……」
「本当ですよ。俺……、先輩のピアノでこの部にはいったんですから。
…それにどんどんピアノより先輩が気になってきましたが」
「え」

真下くんが顔を上げて私に言う。
真下くんの表情は真剣そのもので私が逆に顔が赤くなるのが感じられる。

「……俺、渡辺音波(わたなべおとは)が好きです」

それは間違いなく私に向けられた言葉で。
真下くんは私を見つめている。

「嘘…嘘でしょ。真下くん、先輩をからかっちゃ駄目だよー」
「…本気ですよ、俺。音波先輩が好きです」

何度も何度も名指しで言われると恥ずかしい。
好きというのは間違いなく私らしかった。

「……何で私なんか…?」
「なんかなんて言わないで下さい。先輩はすごい人ですよ。
…俺、はじめて感動させられたんです、先輩のピアノで。
あんな風に綺麗に弾けて、すごいって。でも、それは、先輩にもともと惚れてたんですよね」

真下くんが言うのは私と真下くんの出会いだ。
真下くんが入部したての頃にピアノを弾いたことがあった。
その時に真っ先に言ってくれたのが真下くんだった…。

「冗談とかじゃなくて好きです。音波先輩が」
「……私でいいの?」
「いいですよ。俺のはじめて好きになった人ですから」

真下くんが笑顔で言う。
その笑顔はまぶしいくらいに晴れ晴れとした太陽のようで。
私もふっと笑いながら言った。

「…それじゃいいでしょう。わかりました」
「本当ですか…?よっしゃ!俺嬉しいです!」

真下くんが抱きつこうとしてくるのがわかって私はよけた。
真下くんは少し不服そうに私を見た。

「ただし!条件があるの!」
「条件ですか…?」
「今度のコンクールの時花束をちょうだい」
「花束ですか…?」
「そう、花束」
「…わかりました!了承です!」

私がクスッと笑った。
それは先輩としての意地だった。
私と真下くんは笑った。

そうして、二つの影が重なった。





久しぶりの日記でごめんなさい。
いやー、ポケモンサイドに力をいれてしまって…。
こっちも疎かでなってきています…。
連載一本ぐらい書かないとそろそろヤバイですね;
私は連載に不向きなようです…。
ダラダラ書いてしまうから;

それより。
今回は年上の女の子×年下の男の子。
こいうのもいいですねぇ…。
年下の男の子がもうちょっと大人ぽっく見せるのもいいかなぁと考えています。
突発小説で突っ込むところが盛りだくさんですが気にせずに。
一応頑張っていつも構想はしていますから!





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Last updated  2005.05.14 11:50:17


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