食べたり読んだり笑ったり

食べたり読んだり笑ったり

2006年01月06日
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カテゴリ: とき
今朝、お財布の中をのぞいたら、千円札が一枚だけ。
(あー、年末年始で使いすぎちゃった。)
反省しながら取り出すと、そのお札はなんと5千円札だったのでした。まあ、すてき。4千円ほど、儲けた気分。

新年最初の金曜日、誰か呑みに誘ってくんないかなー、なんて思いながら残業してました。かねてからの懸念の電話が一つつながって、問題の解決を得てやれやれと肩の荷を降ろしていると、ばーんと現れた先輩。
「おい、呑みに行くか?」
「行きます!」
いやーん、なんて素敵なタイミング!

あんまり話したことはない、だけどいつもすれ違うときにニコニコ挨拶を交し合う、後輩の男の子も同じ席にいました。
何、話そうかな。なんて思ってたんですが、先輩が

「?」
「『日本人とユダヤ人』だよ!」
「……イザヤ・ベンタザン?」
「ほら、知ってるじゃないですか。皆、知ってますよねー、大ベストセラーですもんね!」
意気揚々と参戦する彼。
「私は読んだことないけど。胡散臭いんでしょ?」
「胡散くさいです。」
「二十代で『日本人とユダヤ人』読んでる人、初めて見た……」
ちょっと絶句。というか、感歎。
先輩が、
「ね、おっかしいでしょ?せめて辻仁成のピアニッシモとか、持ってくればいいのに。」

彼と私は同時に言って、ん?と顔を見交わして。
「とおりさん、読む人ですか?」
「割と、好きです。そちらは?」
「カミュとかカフカとか、不条理なやつが好きです。」
「私は日本近代文学あたりをよく読みます。」


同じ座の先輩二人はあきれかえってた。居酒屋でする話か?って。小説の話を嬉々としてするなんて、親元はなれて初めての一人暮らし体験中の彼の孤独は本物だ、なんて。でも多分、彼はほんとに楽しかっただけじゃないかなと。読むのが好きな子なんだなあ、としみじみ判りました。とりあえず、私は楽しかった!共通の話題を探しながらじゃない、真剣勝負の会話だったので。

この日のお料理は水菜と白身魚と湯葉のサラダが絶品でございました。わさび醤油のノンオイルドレッシングがぴりりと効いて、いくらでも食べちゃえます。あのドレッシング、どうやって作ってるのかしら。醤油辛くもなかったんですよね。ちょっと、気になる。






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最終更新日  2006年01月07日 14時59分10秒
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Re:新年会と日本人(01/06)  
南包  さん
居酒屋でも何処でも、小説や本の話をするのに不適切な場所などはない。イザヤ・ベンダサン、ボクも読みました20代のときに。ずーっと昔です。

でも、うらやましいなー、と思います。そういう会話が出来るということが。 (2006年01月07日 12時25分01秒)

Re[1]:新年会と日本人(01/06)  
南包さん

本の話ってどこでしたっていいんですけど、なかなか共通の話題になりにくいところがあって、昨日なんかも最初は「世界の中心で愛を叫ぶ」とかベストセラーの話をさらりと流す程度だったんですけど。小説の話ってマニアックとか変わってるとか言われやすいし、どうしても鬱陶しがられちゃうから自重してるんですけど、昨日は久々ブレーキはずれました。多分、彼も。本当に、楽しかったです。
ブログで独り言みたいに本の話をだらだら書いて、コメントいただけるのも、とても嬉しいし楽しいです。ありがとうございました。 (2006年01月07日 14時58分27秒)

Re:新年会と日本人(01/06)  
tuitel  さん
「日本人とユダヤ人」なつかしー。
今のベストセラーと比べたら、数段、読み応えのある本ですよね。文書も難しいし、字も小さいし、概念の変更を迫ってくるし。
良いなー。そんな会話できる人がいて。うらやましいなー。 (2006年01月07日 23時44分55秒)

わ~っ♪  
みちぽん@  さん
本の話題で盛り上がれるって、なかなかないですよねぇ~
ネット繋がりのお友達は別としても、リアルな場所ではなかなか・・。
ワタシも誰かと夏目漱石の話で盛り上がってみたいです。
漱石作品・・愛しています(*^^*)
(2006年01月08日 11時32分38秒)

Re[1]:新年会と日本人(01/06)  
tuitelさん

私は「日本人とユダヤ人」未読です。多分、実家にあったと思うんだけど……。小学生のとき、友達の家に遊びに行くと、どの家の本棚でもこの本の背表紙を見かけてなんとなく不気味に思った記憶があります。ユダヤ人って、私にとっては「アンネの日記」でしかなかったころ。
そういえば「アンネの日記」は母の本をもらって読んだんだっけ。これもベストセラーでしたよね?今のベストセラーとあの頃のベストセラーって規模が違いますねー。 (2006年01月08日 14時16分14秒)

Re:わ~っ♪(01/06)  
みちぽん@さん
>本の話題で盛り上がれるって、なかなかないですよねぇ~
-----
そうなんです、そうなんです。裾野の広い小説世界を私は愛していますけど、あんまり範囲が広いから、人とはなかなか重ならない。それが、こんなに身近に重なるところがあっただなんて!って、ちょっと舞い上がってしまいました。
漱石作品、ちょっと読み返してみたくなりました。「それから」あたり。読み切れなった「草枕」にも再挑戦しようかな、なんて。絶対これを読まなくちゃって小説あったら、教えてくださいね!「こころ」と「夢十夜」以外は割りとぼんやりとした記憶の中なのです。
(2006年01月08日 14時22分26秒)

漱石作品(^^  
みちぽん@  さん
私は「門」「それから」あたりが一番好きなのですが、何度も数多く読み返してしまうのは「坊ちゃん」、多く読んではいないのですが、心に残るのは「道草」「虞美人草」です。
夏目漱石を読むと~気持ちがしんとするんです。心があるべきところにおさまるみたいな・・。
そこが好きなんです(^^*
(2006年01月08日 16時49分35秒)

Re:漱石作品(^^(01/06)  
みちぽん@さん

ご教授、ありがとうございます。「坊っちゃん」、そういえば私も、確かに一番読み返しているかもしれません。清の手紙を読むところが好きなんですよねー。ずいぶん長い手紙を読んでるんですね。いえ、大事な手紙だから何度も繰り返し読むんです。

「夏目漱石を読むと~気持ちがしんとするんです。心があるべきところにおさまるみたいな・・。」

解るような気がします。去年、一週間の長期出張で家を離れたとき、「こころ」を、繰り返し繰り返し読んでいました。続けて読むんじゃなくて、なんとなく開いたページから数ページ読む繰り返し。

(2006年01月10日 20時56分28秒)

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