食べたり読んだり笑ったり

食べたり読んだり笑ったり

2006年01月11日
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カテゴリ: 読書日記
稲生平太郎 角川スニーカー文庫

年末にふらふらと購入した本です。帯に惹かれたんですよね。

「ノスタルジーに満ちた青春小説。行間からにじみ出てくる恐怖と不安の表現。両者の奇跡的な融合。この「切なさ」この「恐怖」を未読で済ますのはあまりにももったいない!」

宣伝文句として、ちょっと傑作だと思います。買っちゃった。

1990年に水声社から刊行された単行本の文庫化らしいです。この文庫は平成14年発行。ノスタルジーも当然。おそらく90年代にすでに郷愁をもって語られた小説だったと思われる……すなわち今読むと、すでに古くさい。だけど気になる。ちゅうぶらりんの心地。

水に満ち満ちた小説ながら、性的な描写がないところがとても気に入りました。ストイックなホラー小説です。セルロイドの下敷きに摩擦で貼り付くノートのページ、引き剥がすとき感じる温い空気のような物語。

こっくりさん。不吉な予言。気が狂う同級生。幼馴染のセンシティブな少女。初めてのキス。喫茶店の美人マスター。図書館の美女。邪教の影。科学の不思議。薔薇の匂いのする香水。劇中劇。殺人。呪い。迷路。洞窟。そして、夜の水族館。

キイワードどれか一つ、心にかすれば読んでみてください。
ああ、でも、落ち込んでいるときは読まない方がいい。別の世界にトリップして、帰ってこれなくなりそうだよ。


問いかけても、答えは返らない。
できそこないの小説と言ってもいいと思う。
だけど、なんだか悔しい。
(私なら)
このお話の意味が解るかも。再読したくなる魔法。
もどかしい読後感。
定まらない。
アクアリウムの夜





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最終更新日  2006年01月11日 23時22分29秒
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