食べたり読んだり笑ったり

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2006年03月10日
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カテゴリ: 読書日記
群ようこ ちくま文庫

着たきり雀で、こころは孔雀。樋口一葉さんのお話です。

5千円札取り出して、お顔をしばし眺めていました。意志の強そうな、良いお顔をされています。美しい眉、秀でた額。お金でたくさん苦労した一葉さんが、お札になっただなんて皮肉だね。一葉さん、笑ってる?お札に折り目はついているけど、一葉さんの肖像にはしわ一つない。

24歳で、亡くなったんだもんね。
明治の女の、24歳。ストレプトマイシンがまだなくて、結核が不治の病だったころ。早逝には間違いないけど、もしかしたら人生半分くらいは、生きたのかもしれない。
(下天のうちをくらぶれば 夢幻のごとくなり)
でももっと、書きたかったろうね。

淡々と、淡々と。
群さんの筆は一葉さんを描きます。

あんまりお友達になりたいタイプじゃないな、と思う。
だけど、「たけくらべ」は好きだったな、と思い出す。
あんまり淡々と書かれているので、一葉さんに思い入れすることはない。一葉さんの苦労話でも、伝記でもない。記録。年表を読むのに近い、けど。

やっぱりこの本は小説で、さいご、音のならないクラッカーの五色のテープが目の前弾けた気がしたよ。
一瞬の、センチメンタル。

なんとなく他のも読みたくなって、井上ひさしの「頭痛肩凝り樋口一葉」を図書館で借りることにしました。こちらでは、どんな一葉さんに会えるのかしらん。


余談。
「たけくらべ」っていうと、「ガラスの仮面」思い出すんですけど。中学生のころはマヤちゃんのみどりが絶対いい!って思っていたけど、今だったら亜弓さんのみどりの方が魅力的だと思うなあ。ヘレンケラーはマヤちゃんの方がやっぱり好きだけさ。





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最終更新日  2006年03月11日 00時51分12秒
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