食べたり読んだり笑ったり

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2006年03月30日
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カテゴリ: 読書日記
高村光太郎の中で、一番好きな詩です。
荒涼たる心持で、それでも顔を上げていたいとき、読みたくなる詩。

要するにどうでもいいのか
(否、否、否、無限大に否!)
火星が出てゐる

うろおぼえでごめんなさい。歩くリズムで、冬の寒い道で、つぶやいていたい詩です。
今、手元に本がないのに、無性に読み返したくなって、久しぶりに本屋さんに出かけました。
ハルキ文庫の高村光太郎詩集をぱらりめくったけれど、収録されていませんでした。
(ええっ、)と思って、となりの棚の岩波文庫を手にとって。やっぱり収録されていない。


光太郎の詩は、中学の国語の教科書で初めて読みました。「ぼろぼろの駝鳥」。読みやすい詩を書く人だな、と思って、母の本棚から旺文社文庫を持ち出してきて読んだとき、「火星が出てゐる」に出会ったんでした。母が持っていたのが、ハルキ文庫や岩波だったら、私は別の詩を好きになっていたのかもしれないな。と思うと、少し不思議。
自分をリセットして、まっさらになって、読んでみたい気がします。

さて。実家には母からいただいた旺文社文庫「高村光太郎詩集」と、高村光太郎記念館が頒布した文庫「高村光太郎詩集」がございます。収録作品はほぼ同じ。後者はワタクシ、古本屋さんでみつけましたのよ。これらには「火星は出てゐる」は入っているけど、ハルキ文庫に入っていた「暗愚小伝」は入ってません。「資料」としてではなく、「詩」を集めるのが詩集なら、やっぱり私は旺文社文庫の肩を持ちたいな。

火星が出てゐる。
この年になって初読だと、そこまで思い入れない気もします。自分の息が暑苦しいことをもてあましてた15歳、あのときに読んでいて良かったねって、15の私に言ってあげたい。

ついでなので、井上ひさしの「太鼓叩いて笛吹いて」を探してきました。カバー折り返しを見てみると、「イーハトーボの劇列車」も「泣き虫生意気石川啄木」も絶版みたい。日本って、つまんない国ですね。





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最終更新日  2006年03月30日 22時50分59秒
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Re:火星が出てゐる(03/30)  
ままちり  さん
光太郎のその詩、はじめてみました。
いいですね。まだ愛を知らない頃の彼の荒々しい魂を感じます。
絶版の本といえば、わたしは坪田譲二が悲しいです。
「子供の四季」が新潮で数年前に絶版となったそうです。
わたしの一番好きな、子供を描いたお話でしたのに。 (2006年03月30日 23時06分31秒)

Re:火星が出てゐる(03/30)  
いつも、とおり・ゆうさんには驚かされます。
一人の詩人について、いくつもの詩集をお持ちなんて...。本当に文学がお好きなのですね。

「火星がでてゐる」、読んだことあるような...それこそうろおぼえ。また読んでみようと思います。
新潮文庫ですね(旺文社文庫は今、ありませんよね?)

日本は本当に...すぐ絶版にしますね(苦笑)。
しかも版権もっていて、いつ復刊するかわからないようなことを平気でいいます。かといって、版権を他に渡す気もない...。

要するにどうでもいいのか
(否、否、否、無限大に否!)
読者は蚊帳の外 (2006年03月31日 06時32分03秒)

Re:火星が出てゐる(03/30)  
hikaru6600  さん
>荒涼たる心持で、それでも顔を上げていたいとき、読みたくなる詩。

高村光太郎の詩ってそういう感じのものが多いような気が・・・。
だから大好きなんです。火星がでてゐる も好きな詩の一つですが
私は焼けない心臓が一番好きかな。。
このブログ読んで本棚ごそごそ・・ありました。新潮文庫。
旺文社文庫も持っていたはずなんですが・・・・。
ひさびさ光太郎の世界にひたってしまいそうです。ありがとう。 (2006年03月31日 07時27分56秒)

Re[1]:火星が出てゐる(03/30)  
ままちりさん
>>絶版の本といえば、わたしは坪田譲二が悲しいです。「子供の四季」が新潮で数年前に絶版となったそうです。

今は亡き祖父に「坪田譲二作品集」新潮文庫をいただいたことがあります。一度読んだきりですが、もう一回、読み返してみようと思いました。
手元に本があったとしても、絶版、というのは、さみしい悲しい気持ちが残りますね。 (2006年04月01日 10時04分27秒)

Re[1]:火星が出てゐる(03/30)  
もくれん天使さん

何冊か本を持っているのは、尾崎翠と光太郎くらいです。いやはや、お恥ずかしい。でも今回本屋で立ち読みしながら、意外にまじめに光太郎が好きだったんだな、と自分で思いました。学校の課題になったことも研究テーマにとりあげたこともなかったのに。

本とは一期一会よ、と友達に言われたことがあります。でも「この本、読んで読んで」って興奮して語るときに、絶版は悲しい。
旺文社文庫、若草色の装丁が好きだったんですけど、この頃は古本屋さんでも見かけなくなってきましたね。
(2006年04月01日 10時09分06秒)

Re[1]:火星が出てゐる(03/30)  
hikaru6600さん

詩、といえばhikaru6600さんというイメージがあるんです。以前、本屋さんで詩集と刺繍を取り違えられたお話を、やわらかい口調でされていたのが印象的で。
「焼けない心臓」かあ。ごそごそ。私も読んでみます。 (2006年04月01日 10時10分42秒)

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