PR
フリーページ
最相葉月著・新潮文庫
森鴎外の血縁にあたり、星製薬という大企業家兼大物政治家の御曹司として裕福な家庭に育った星親一が戦後の企業解体から始まった負の遺産を相続した社長時代・・・事業家としての道をあきらめていた頃にのめり込んだ「空想科学小説」のヒット。
戦前戦後の政治経済の混乱と両家の没落、そして文学の変化としてのSFの芽ぶき。
上巻は御曹司「星親一」から小説家「星新一」が誕生するまでの姿を描き出している。
オレが初めて読んだ星新一氏の小説が「ボッコちゃん」だった。
ボッコとはロボットの愛称だったという。
紹介されている星新一氏本人の言葉をここに抜粋紹介する。
<「ボッコちゃん」には「私の持つすべてが、少しずつ含まれているようだ。気まぐれ、残酷、ナンセンスがかったユーモア、ちょっと詩的まがい、なげやりなところ、風刺、寓話的なところなどの点である。>
<これは自分でも気に入っており、そのごのショート・ショートの原型である。自己にふさわしい作風を発見した。自分ではこの作を、ずべての出発点と思っている。私の今日あるは「ボッコちゃん」のおかげである。あれだけはなんかほんとに神様が耳元で囁いてくれたという、よく書けたという感じがしますね。>
もう一度・・・オレガ「初めて読んだ星新一氏の小説は「ボッコちゃん」だった。
小学校から中学校になり本がますます大好きになり、学校の図書館でたくさんの本を借りて読むことに夢中というか友人と競争していた。
そんなとき、薄くて速く読めそうという理由で手に取った本が「ボッコちゃん」であった。
たちまちオレは大ファンとなり、星新一氏の図書館の本はすぐに全部読んでしまい、その後は大学に入るまでファンであることを続け、筒井康隆氏に引き継がれることになる。
下巻に入るといよいよSF作家が登場し、SFマガジンが発刊され、エースの星新一氏をはじめ、矢野徹氏、小松左京氏、平井和正氏、筒井康隆氏、眉村卓氏、半村良氏、豊田有恒氏などぞくそくと登場する。
今、まだ読んでいる最中で、ちょうど、星新一氏が駆け出しの筒井康隆氏と出会う場面なのじゃ。
オレは子どものころから本を読むのが好きだったけど、好きになるととりあえず全部読むということで、結構偏った読書歴なのじゃ。
ざっと挙げると・・・
畑正憲氏、星新一氏、筒井康隆氏、江戸川乱歩氏、横溝正史氏、平井和正氏、司馬遼太郎氏、そして村上龍氏と続く・・・
平成以降の小説家で夢中になった小説家はなぜかいないのじゃ。
とにかくSF好きはもちろん、戦前戦後の時代の姿と文壇に興味のある方は読んでみることをお薦めするのじゃ。
上巻は熱中してすぐに読み切ったTackeyでした。
「聞く力ー心をひらく35のヒント」 March 29, 2012
「竜馬がゆく」の再放送を見て思い出した… January 2, 2012
カテゴリ
カレンダー