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カタールのドーハで開かれているサッカーのアジア杯で、2大会ぶり4度目の優勝を目指す日本代表は、29日(日本時間30日午前零時キックオフ)の決勝で強豪オーストラリアと対戦する。
気になるのが、日本中をハラハラさせながらも快進撃を続ける日本戦士の勝利ボーナス。大会前には選手会が「1勝100万円」を要求し、ボイコット騒ぎまで勃発したが、結局、日本サッカー協会は従来通り1勝30万円、日当1万円の支給と優勝ボーナス無しを決定。
水面下で報奨金を巡る争いが続く中、ピッチ上の選手は、まさに名誉だけをかけ、決戦に臨む。
アジアの頂点まで、あと1勝。激戦続きのザックジャパンの戦いぶりは、1993年のW杯米国大会最終予選での「ドーハの悲劇」ならぬ、「ドーハの奇跡」とまで称され始めた。
決勝の相手は、世界ランクで29位の日本に対し、26位と格上のオーストラリア。
対戦成績でも日本は、5勝7敗6分けと分が悪い。その上、右太ももの肉離れで帰国したMF松井大輔(グルノーブル)に続き、頼みのMF香川真司(ドルトムント)まで右足小指付け根を骨折して今季絶望の戦線離脱。
不安はぬぐえないが、ザッケローニ監督は「前に進むしかないでしょう。優勝杯を日本に持って帰る」とあくまで前向きにやる気をみなぎらせた。
目指すは、2大会ぶり4度目の「アジア王者」。選手は、まさにその名誉だけをかけての戦いとなる。
昨年12月、日本プロサッカー選手会(藤田俊哉会長)は、日本代表選手の待遇改善を求めて、一大キャンペーンを張った。その大きな柱が、勝利給増額だった。
日本代表は日当1万円のほか、親善試合で10万円、今回のアジア杯のような公式戦で30万円の勝利給が支給されている。これはJ1の主要クラブの勝利給(60~80万円)に比べても低く、選手会は「1勝につき100万円」を協会に要求。受け入れなければ、ボイコットも辞さずという強硬な姿勢を見せた。
これに対し、基本的に日本代表は名誉で戦うものという姿勢の協会側の小倉純二会長は「お金を上げなきゃボイコットするという選手はどうぞ」と完全拒否した。
日本代表の顔だった三浦知良(横浜FC)は「代表は金銭面も環境面もすべてトップであってほしい。もっともらっていい」と主張。
現代表のエース本田圭佑(CSKAモスクワ)も「勝利給がなくても全力で戦うが、見合うものがあっていい」と訴えている。
以来、「カネか名誉か」の争いは平行線をたどったままだ。
ただ、さすがに日本中を沸かせて快進撃を続ける今大会の勝利給には、少しは色がつくかと思いきや…。
日本協会が代表選手に支給するのは、これまで通り「日当1万円と1勝30万円」ナリ。ならば、優勝ボーナス…という可能性も広がるが、日本協会幹部は大会前から「特別ボーナスを支給する予定は一切ない」と断言している。
その裏には、アジア杯では、優勝チームに贈られる賞金はなく、「(協会としては)勝てば、勝つほど赤字になります。できる限りのバックアップをするつもりですが」(別の協会幹部)という事情もある。
いずれにしても、優勝しても選手のフトコロに入るのは、先月28日の代表合宿開始から33日分の日当33万円と今大会の5勝分の勝利給150万円。計183万円ということになる。
ただ決戦前の選手らは必勝しか頭にない様子。
MF遠藤保仁(G大阪)は「どうしてもとらないといけない。アジアで負けるわけにはいかない」と決意を語る。優勝チームには各大陸の王者が出場する“プレW杯”、2013年ブラジルでのコンフェデレーションズ杯の出場権も与えられる。
この決勝戦ばかりはカネではなく、「アジア王者」と「コンフェデ杯出場」をかけ、ザックジャパンが大一番に向かう。
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