愈々庵気まぐれ日記

愈々庵気まぐれ日記

2018.05.24
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カテゴリ: 小さな一日旅
ここのところ諸々の事情で外出が無く、ブログ種がなかったが
先週末旧知の人から鎌倉の自宅での昼食に招待された。
時々会ってはいるのだが今まで自宅を訪問する機会を逸していた高校の級友である。
工芸作家や歴史家として活躍してきたが親から莫大な遺産を継いだわけでもないので
普通の一戸建てと思っていた。
鎌倉独特の路地に近いような道に面して2,3台はゆっくり停まれる駐車場からいきなり
森の中にスロープが始まり、この日は姿を見せなかったが樹間に富士山が望めるという。
平地の道路筋には民家が連なっているが鎌倉独特の崖線の端に位置する
尾根筋の端に位置するそこはもう山中の感である。


80歳を超す夫婦の住まいとて手入れが行き届いているとは言えないが家の周りからは
人家が全く見えず昔よく映画で見た文人の住まいの趣である。


食事前にワインを選ぼうと導かれたところは20畳近い広さの岩の洞窟、
壁際には数百本のワインが横たわっている。その他にも毎年敷地から収穫される
6斗もの梅を漬け込むという梅酒や果実酒の瓶が無造作に貯蔵されている。
なんでもここは年中13℃の石室なのだそうだ。


裏庭に回ると石垣の上に焼き物を重ねて造った水槽がある。30年以上も前、
前オーナーが設置したもので下にある井戸から水をくみ上げて自家水道としていたらしい。


水槽の下には石囲いの古井戸があり石の蓋がされている。
今は電動ポンプで水をくみ上げ飲料水以外の用途に利用しているとのこと。かっては
この井戸から手押しポンプで上の土器水槽に水をくみ上げて自家水道にしていたのだろう。


前記したようにここは鎌倉崖線の端で、石垣や岩からは清水が湧き出ている。
その湿った壁面には苔が茂りイワタバコが自生している。
今は初々しい若葉でこの日の食事にはイワタバコの天ぷらが供された。
敷地内にはスダチ、ダイダイをはじめ柑橘類がおおく、
昨年収穫したというこれらのしなびた果実が紀伊吉野川のアユに添えられていた。


前記のワインセラーとなっている岩室であるが、知人がこの屋敷を購入した時は
完全に泥で埋まっており、その存在を知らずに購入したそうだ。
ある時崖に小さな穴を発見して掘り進むとこの石室が現れたとのこと。
天井には石を削った石鑿(のみ)後もはっきり残っている。
近所の岩崖には「やぐら」と呼ばれる鎌倉特有の人工的窪みや道祖伸などもあり、
これもその一つであろう。「やぐら」は小さな石仏一体を納める
小型のものからかなり大きな物もあり知人宅のもその一つだろう。
この岩室の壁からは水滴がしみ出るので入り口をドアで塞ぐことは出来ず、
このワィンセラーの弱点はラベルがすぐ湿気でぼろぼろになってしまうことだそうだ。
この日は昔100本単位で求め、13℃のこのセラーで30年以上も寝かせてあるという
日本では市販されていないバスクと南イタリア産のラベルのないワインをご馳走になった。
門外漢の私が言うのもおこがましいが、さすがこの位熟成すると
渋さも和らぎ実にまろやかな舌触りであった。


古酒ワインを手に談笑は絶えず、奈良の遺跡で見つかった果物の種の年代が卑弥呼の
時代のもので、邪馬台国論争が動くとの最近の新聞報道なども話題に上った。
すると立ち上がった知人は棚から箱に入った光るものを取り出した。
それは私も福岡の国立博物館で実物を見た卑弥呼の金印のレプリカだという。
プラスチックかと思って手にするとずっしり重い。
鋳金か鍍金かと詰め寄る私に彼はただ微笑むばかりであったが
鉄よりはかなり重く感じたのは気のせいだろうか。

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写真はすべて使い慣れないスマホ写真なのでボケボケであるが​​
カメラを持参すればよかったと思った時にはすでに時遅しであった。
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Last updated  2018.05.24 10:08:37
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