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2020.04.02
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テーマ: 法律(508)
カテゴリ: 法律
弁護士費用特約によって,簡裁では少額の物損事故の案件が増加したそうな。まぁ,そうだろうなぁと思う。ちょっとタイトルが「弁護士費用特約を活用した」とキャッチーだし,薄いので読んでみた。

​
弁護士費用特約を活用した 物損交通事故の実務 [ 狩倉博之 ] ​

まず,目次をおおざっぱに眺めるとこんな感じ。
わりとそっけないので,括弧内は僕の補足である。

第1章 総論
   (LAC制度の解説など)
第2章 物損事故解決のための基礎知識
   (請求権者,車両損害,着衣やペットなどその他損害)

   (立証資料,示談書作成)

タイトルに,「弁護士費用特約を活用した」とあるけれど,そのあたりの解説はさほどないかなぁ・・・。弁護士費用特約保険について色々な意見があるだろうが,これを使ってしまうと,弁護士は自分の取るべき報酬の金額を自分で決めるということができなくなる。わりと使うにしても,素直に着手金・成功報酬のやり方でやるか,事務作業の繁雑さを我慢してタイムチャージにするべきか,見極めがかなり大事になるのだ。
なので,「弁護士費用特約を活用して,高額の報酬を得る裏技」みたいなのが掲載されているのかと思えば,あまりそんなことはない。そういう意味で想定していたのと違った。
ただ, 物件事故をどうやって解決するか,という点について特化して書かれている ので,この点では良書というべきである。

だいたい,交通事故系の実務本を買うと,物件事故についての解説の分量は少ないように思う。メインは人身事故になってしまうだろうから,それはそれで仕方がないのだろうけど。
色々面白かった点はあるけれど,2つくらいに絞って感想を書こう。

1つは,第2章の基礎知識編の「請求権者」のコーナーである。
車というのはローンで購入することが多く,所有権留保の状態であることが多い。そんな所有権留保の状態で事故にあった場合,損害賠償請求をすることができるのは誰になるのか,という話である。
本書によると,東京地裁交通部の運用だと,全損の場合は所有権留保者(売主)だが,例外もあるとか,分損なら買主でいい,など解説されている。
普通の感覚だと,「車を運転していた人が請求権者なんじゃないの?」と考えてしまいがちなんだけど,親名義の車に乗っている状態で事故に遭うだとかあって,僕なんかもけっこう困った経験がある。


2つに,車両損害以外の記述が手厚い,ということである。
全塗装か部分塗装か,とか評価損なんてたいていの本にも書かれている。だが,本書はそれにとどまらず,車両が建物に突っ込んだ場合の建物損害,店舗が休業に追い込まれた際の休業損害,トラックの積荷損害などについて裁判例なんかを丁寧に紹介してくれているのが嬉しい。
ペット損害なんか低額になるのが相場なのだけれど,競馬の競走馬が死亡した場合に逸失利益で780万円が認められている事案なんか興味深い。

話が全然変わるんだけど,学生の頃読んでいた漫画で,1億だったか2億だったかの価値のある「競争馬の精子」を巡って殺し合いが起きるというのがあった気がする。
人命よりも,馬の精子の方が価値があるという悲しい現実を思い知ったのだけど,あれば何だったか,いまいち思い出せない・・・。


弁護士費用特約を活用した 物損交通事故の実務 [ 狩倉博之 ] ​





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最終更新日  2020.04.02 12:34:21
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