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2026.09.21
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里中満智子さんの歴史漫画
『長屋王残照記』文庫版1~3巻 を読みました。

里中満智子さんといえば、古代史を題材にした作品が多く、以前『天上の虹』も読んでいます。

今回の『長屋王残照記』は、古代日本の歴史上で起こった「長屋王の変」を題材にした作品です。

私は長屋王について、それほど詳しく知っていたわけではありません。

だからこそ、漫画を読みながら、

「こんな時代が本当にあったんだ……」

と、かなり驚きました。

長屋王はどんな人物?

物語の主人公である長屋王は、持統天皇の甥。

そして父親は高市皇子です。

持統天皇が信頼していた高市皇子の息子ということで、長屋王も非常に高貴な血筋を持つ人物です。

ところが、長屋王自身は権力を欲しがるような人物ではありません。

むしろ律儀で真面目。

一人の臣下として生きようとしているように見えます。

それなのに、皇族という身分と血筋のために、政治的な争いへと巻き込まれていく。

ここが、この作品のなんとも切ないところでした。

1巻~3巻を読んで

1巻では、長屋王が政治の世界へと巻き込まれていく様子が描かれます。

2巻になると元明女帝が即位し、平城京への遷都など、時代が大きく動いていきます。

そして政治の実力者として存在感を増していく藤原不比等。

長屋王は不比等に対して、ある疑惑を持つようになります。

3巻では元正天皇の即位、そして首皇太子、後の聖武天皇の即位へ向けた動きが描かれます。

長屋王の周囲の人間関係にも変化が出てきて、少しずつ不穏な空気が漂ってきます。

読んでいるこちらも、

「この先、何か起こるんじゃないの?」

と思ってしまうんですよね。

まさに悲劇の足音が近づいてくる感じです。
​
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一番怖いと思ったのは「血筋」

今回読んでいて、一番怖いと感じたのが「血筋」でした。

長屋王は高市皇子の息子。

そして高市皇子は持統天皇から信頼されていた人物として描かれています。

それなのに、時代が変わり、皇位継承をめぐる状況が変化すると、その血筋が政治的には大きな意味を持つようになってしまう。

本人が何かを望んでいるわけではなくても、

「この血筋を持っている」

というだけで、周囲から警戒される。

現代の感覚からすると、とても怖い世界ですよね。

昔の政治はこんなに残酷だったの?

作品を読んでいて、

「昔の王朝って、本当にこんなに残酷だったの?」

と思ってしまいました。

天皇になるため、あるいは自分たちの立場を守るために、邪魔になる存在を排除する。

現代では考えられないような政治の世界です。

もちろん、この漫画に描かれている人物の心情や会話などは、里中満智子さんによる作品としての描写です。

でも、「長屋王の変」という事件自体は実際の歴史上の出来事。

そう考えると、単なる漫画として読み流せない怖さがあります。

持統天皇は本当にこれを望んでいたのかな?

読んでいて、私が特に気になったのが持統天皇です。

持統天皇は、高市皇子を信頼していた人物として描かれています。

その高市皇子の息子が長屋王。

それなのに、後の時代に長屋王が悲劇に巻き込まれていく。

そう考えると、

「持統天皇は、長屋王のことをどう思っていたんだろう?」

「もし、この後に起こることを知っていたらどうしたんだろう?」

と考えてしまいます。

もちろん、これは今回漫画を読んで私が感じた疑問です。

実際の歴史ではどうだったのか、私はまだ勉強不足なので、これをきっかけに長屋王の変についてもう少し調べてみたくなりました。

歴史漫画って面白い

今回『長屋王残照記』を読んで改めて思ったのが、歴史漫画の面白さです。

教科書で「長屋王の変」という言葉だけを覚えていたら、たぶんここまで興味を持たなかったと思います。

でも漫画で長屋王という一人の人物を追っていくと、

「どうしてこんなことになったんだろう?」

「本当の歴史ではどうだったんだろう?」

と気になってきます。

歴史上の出来事を、人間関係や人物の人生を通して見ることができる。

そこが歴史漫画の魅力なのかもしれません。

まとめ

『長屋王残照記』文庫版1~3巻は、華やかな古代王朝の裏側にある政治の怖さを感じる作品でした。

特に印象に残ったのは、

「本人が望んでいなくても、血筋によって運命を決められてしまう」

というところ。

長屋王は高市皇子の息子という高貴な血筋を持っていました。

でも、その血筋が彼を幸せにしたとは限りません。

むしろ、その血筋が政治の争いに巻き込まれる原因になってしまったようにも感じます。

そして3巻まで読むと、これから長屋王に何が起こるのか、どんどん気になってきます。

「長屋王の変」という歴史上の事件を、私は今回初めて漫画を通してじっくり知ることができました。

怖い歴史ではありますが、だからこそもっと本当の歴史を知りたくなりました。

里中満智子さんの歴史漫画は、漫画を楽しみながら「この時代についてもっと知りたい」と思わせてくれるところがいいですね。

続きも読み進めていきたいと思います。

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最終更新日  2026.09.21 16:37:25
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