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永福庵は会社と一体である、と前述したが、その会社とは 藤沢烈 が社長で佐野哲史が副社長をつとめる某カ社。コンサル業務、営業代理業務などを扱っている会社なのだ。
その副社長が全然出社しない。笑。
どういう会社なんでしょ。
副社長は、埼玉に住んでいて永福町まで遠いので、半住人と言われるくらいに、月の半分以上は永福庵に寝泊まりしていると聞いていたのに己が来た途端に出社してこない。
なんだよ。
彼はエネルギー燃焼系の人間ですから、浮き沈みが非常に激しいんです。
今、沈んでるんだと思います。
社長も当然、分かってらっしゃる様子で
「数日前に、風邪だってんで休ませたんだけど、それから連絡がない。」
笑。
それでいいんかい!某C社。
言っちゃうとつまんないので言いません。
このページにも気づいてないだろうし。
てゆうか、烈も千秋も気づいてないでしょう。(千秋いま隣で足の爪で遊んでるけど)
東京ジプシー的に。
住む処変われば、まず戸惑うのは電車の感覚だね。
今日は麻布十番から帰ってきたけど、永福町までどう帰ったらいいのか、何分で帰ったらいいのか分からないわけ。
まぁ、ケータイで終電情報とか調べられる時代だからさして大きな問題ではないのだけれど。
そんなわけで、終電で帰ってきた。
一抹の不安がよぎるがドアは開いていた。
(もしかしたら烈はこの日記を読んでいるかもしれない)
靴を脱ぎながら台所に目をやると
分かるように書き置きがあって忠実に引用すると
『おかえりなさい。
千秋くん、多苗くん
今日は先に寝ます 烈』
おかずは冷蔵庫にありますってなもんだぜ。
いゃあお母さんだね。実際。
イイ奴だよ、ホント。ステキ。
二階にあがると真っ暗だ。
千秋は服を取りに行くと言ってたっけ。
お互いジプシーしてると、3日同じ服を着ていたりすることがあるからな。
結局帰ってこないのか。
と思っていると、千秋が帰ってきた。
モスバーガーの袋を提げている。
これからそれだけ喰うのですか。ダイエッターズ組合の風上にも置けぬ漢だ。
実は同じ電車だったようで。
そういう感じも楽しい。
それ生活道具一切ですか。
どこでも生きていけそうだな。

今日一日あったことをポロポロと話す。
とりとめのない話でも千秋と話していると楽しい。
ポロポロと省略せず、今日話した内容を軽く公開してみよう。
多苗(以下、多)「なんかさ、デイアフタートゥモローってあるじゃん。」
千秋(以下、千)「あるねぇ」
多「今、盛んに中吊りとかで広告してるじゃん?映画の」
千「うんうん。わかるよ。」
多「あれが観たいとかそういうことじゃなくて…。電車でボーっと広告をみながら考えたことなんだけど…」
千「うん」
多「なんかね、広告の隅に『ハワイに逃げろ』とか書いてあるから、ハワイだけあったかくて大丈夫だってことだと思うんだけど」
千「ごめん。俺、名前は知ってるけど映画の内容とか全然知らないんだわ。なんなの?」
多「ああ。あのさ、なんか氷河期がきて地球丸ごと凍っちまって、みんな死んじゃうってまぁ、パニック映画だと思うんだけど」
千「うん」
多「それで実際の話はどうか分かんないけど、広告みて、どうやらハワイだけはあったかくて生き残れるみたいなんだよ。実際はそうじゃなくても己は
そうなんだと解釈して色々考えをめぐらしてたの。」
千「うん」
多「なんつぅか、そうなっちゃったらさ、シアワセな部分もあるよね。全てリセットされるよね。金持ちとか関係なくなっちゃってさ。しょーがないからまた一からやり直して生きていきますか。みたいな。少なくとも明日の一時までに田中さんに資料提出しなきゃとかいう心的束縛からは解放されるよね。」
千「ああ」
多「んで、家族とか失ってるだろうから哀しみも大きなもんだけどちょっと落ち着いてきたら『これはこれで気楽なところもありますね。ハハ』みたいな」
千「笑。どうだろう。俺はそうなったら北斗の拳の世界になると思うけどね。」
多「笑。力こそ全ての世界か。笑。そうかなぁ。なんだろ、でも、神戸なんかはそんな気楽な感じではなかっただろうね。
千「そうだね。あれは局地だったからね。」
多「きょくち?」
千「局地的。自分たち以外はいつも通りやってんだからさ。なんで俺たちだけって。」
多「ああ、なるほど」
千「日本全体がやられても同じだろうね。他の世界は残ってるから。やっぱり局地だ。」
多「むう」
千「かわぐちかいじがね、今またなんつったかな漫画描いてるんだけど。それが日本沈没の話でアメリカと中国が分割統治するって話なんだけど…」
多「おお。」
千「あと、そのハワイにどんな人が集まってくるかも大きいだろうね。ハワイに元から住んでた人だけ残るならまだ助け合うかもしれないけど、
世界中の人が避難してきたりすると難しいんじゃないかなぁ。」
こんな話を寝る前にポロリポロリとしてるでやす。
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