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2004年10月07日
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カテゴリ: さだまさし
さだまさしさんの音楽、その27は「玻璃草子」
難しい漢字の多い、さださんの曲の中でも異色となるこの曲は、文語調で書かれています。ライナーノーツによると


きみかへす朝の舗石さくさくと
 雪よ林檎の香のごとくふれ
    (北原白秋 歌集"桐の花")


に触発され、「後朝」という題で作ろうとしたが、"生"に過ぎる気がして変えたとのこと。また文語調になった理由は「少ない言葉で沢山の思いが込められるから。響きが好きだから。」ということです。若干、文法がおかしなところも見受けられますが(だからさださんは「文語」ではなく「文語調」と言っているのだと)その美しい響きは十分に伝わってきます。

『ぬばたまの君が黒髪の 褥に貸せるこの腕の

なんか、いきなり難しい漢字があったりしますが、口語訳するならば「寝床で、君に貸していた私の腕(腕枕ですね)から、きみの温もりが消え去らないというのに、もうお別れしないといけない」ってところでしょうか? 平安王朝の「通い婚」のイメージですね。ぬばたまは「射千玉」と書き、その実が黒いことから「黒」、「髪」、「夜」などにかかる枕詞として使われています。

『侘びぬれど 恋は水無瀬川 君ならでみだるべくもなく
 振り向けば朝降る雪に 散りまどふ梅の白』
「水無瀬川」というのは、「水のない川。また、瀬の下を水が流れて、表面には見えない川。「下」の枕詞にも」ということで、どうも解釈が難しいです。
「いろいろ思い悩んでも、恋は分からないものだ。君でなければ、思い悩むこともなかった。振り返れば、今日降った雪(新雪)の上に、白梅が散っている」
うーん、なんかしっくり来ません。上のフレーズと合わせて考えると、この二人は「隠れて逢わなければならない関係」のようです。ですから、上で考えた「通い婚」というよりは、現代でいう「不倫」? だからひとときの逢瀬を楽しんだ後、その温もり(余韻)が冷めないうちに、別れなければならない。そう考えると、雪や白梅という白は、早朝の「暗さ」や「君の黒髪」の対比として描かれているものなのかな? 

『あはれ君に咲く愛は
 玻璃細工の花なりき
 手折りなば 割れるいとしさよ
 その指を切る かなしさよ』
「ああ、君との愛は ガラス細工の花のようだった。手で包んだら、折れてしまう愛しさよ 指を切る 哀しさよ」


って、この調子でやっていたら、とてつもなく長くなってしまいますね。
さださんの曲って、いろいろ分析が出来て面白いんだけど、こういう曲は、さらにそのおもしろさが増加しています。
実は、この曲の解釈は昨年末に、仲間内でやったものに、自分の考えを追加したものなんです。そのときのメンバーには、国文学の先生もおられたので、そう大きくは間違っていないかと...いつもとは違う、さださんの音楽へのアプローチでした。





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最終更新日  2004年10月07日 09時03分00秒
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