ココロ ニ アカリ ヲ・・

ココロ ニ アカリ ヲ・・

2004.08.13
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 カズクン・・・。

 毎日、春奈はカズクンはサッカー部で部が終るのを教室から眺めながら待っていた。
 春奈は、カズクンがサッカー部の人達と練習しながら笑ったり汗をかいたりしているのを見るのが大好きで、5分ほどで帰れる道を20分かけて一緒に歩く時間は宝物だった。

 時には一緒に図書館で待ち合わせをした。一緒に映画も見た。

 ただ目的もなく街を一緒に歩いてみたり、公園のベンチに座り一通りしゃべった後、一緒に空をみあげコバルトブルーの空をざっくりと切った飛行機雲を見つめた。

「ねぇ、飛行機雲のできた次の日は、雨が降るって知ってる?」
 カズクンは優しい瞳でちょっと見開いた。
「えーっ明日は試合だぜ~。」
そうだ。サッカーは少々の雨や雪でも試合をするんだったなあ。
春奈はずっと昔の知識をたぐりよせるように思い出して、クスクスと笑った。

「ねえ、私のどこがすき?」
 バカな質問だ。でも優しい返事が聞けるとわかっているからこそ、春奈はからかうように、恋を確かめるようにその言葉を口にした。
 カズクンはこんがり焼けた茶色い顔を少し赤らめて照れたように笑い、
「春奈は気が強くてはっきりものをいうだろ?」
「うん?」
「結構クラスでも目立っていたし、誤解されやすい子だなーってハラハラして目が離せなかった。」
「で、私のどこが好き?」
「目が離せなくて」カズクンはあらぬ方向を向いていた。
「うん」春奈は声がうわずっていた。
「もっと春奈と話してみたいと思ったんだ。」そしてカズクンはゆっくり視線を春奈に合わせ
「好きなのは好きで、どこと言われてもうまくいえないよ。」と優しく早口でつぶやいた。
 春奈は体の中に甘い電気が走りぬけ、幸せで泣きそうになる。

 こんなにも優しい眼差しで自分を見ていてくれた男の子がいたのだ。同じ教室に。
「で?春奈は俺のドコが好きなんだよ?」
「え・・・・、笑った顔とか・・・なんとなく。」
「なんだそれー」カズクンは呆れた顔で笑った。


 ある冬の帰り道、
「寒い。手袋忘れちゃったー。」と吐く息で手温める春奈の手をカズクンは引き寄せキュッとにぎりしめた。

 温かい手だった。初めて男の子と手をつないだ瞬間。
 この年の冬はとても寒かったけれど心の奥からホカホカしていて春奈はいつも笑っていたような気がする。


 カズクンとの思い出を記憶のなかで優しく何度も何度も繰り返し温かい気持ちに満たされていると、急に真っ暗な空間に突き落とされた。

 夜のコンビニの前に春奈は立っていた。

 真っ暗な空間に白く浮かび上がるコンビニは、まるで砂漠の中のオアシスのように、若者が夜中でもたむろっている。

 ガラス張りの中で本の立ち読みをするオジサンがふいに顔をあげ何かを叫んだ。
 背後から鼓膜を震わす悲鳴と地響きを感じ、振り返るとすでにダンプカーが春奈の背後まで迫っていた。

 激しい痛みと衝撃で悲鳴すら声にならない。
 !!!!!!!

「春奈!春奈!」
 ふいに体を揺らされた。
 ハッと目を開けると、そこに小柄な女性が顔をくしゃくしゃにして泣きながら春奈の肩をゆすったり擦ったりしている。
「お母さん!」
 めっきり老け込んだ母の顔を覗き込み、
「わたし・・・・」何かを言葉にしようと思うのだけれど、頭が働かず言葉にならない。
「びっくりしたねー。本当に無事で良かった。ダンプカーの居眠り運転に巻き込まれて無事だなんて本当に運のいい子だよ。よかった。本当に良かった。」
 ああ、やはり私はダンプカーにひかれてここにいるのだと思いなおし春奈は母の涙に濡れた頬にそっと触れた。
 きっと母は私を心配しすぎてショックでこんなに老け込んでしまったのだ。
 春奈は母に対して心配かけて申し訳なく気持ちと母が側にいる安心感で大きく息を吐いた。
「学校は?」やっと言葉にすると、母は涙ぐんだ顔で何度もうなずき、息をスウッと吐いて春奈を優しくさすりはじめた。
「大丈夫。拓哉はきちんと学校に通っていますよ。明日あたり、学校帰りにこさせようね。」
 春奈は首をかしげた。
「?拓哉くん?そんなお友達いないけど?カズクンと間違えているんじゃない?」
 母は涙がとまり首をかしげた。
「カズクンって誰よ?拓哉は春奈の息子でしょう?あんな小さい子が、春奈の事故の事で、どんなに心配して、胸を痛めたか・・・。あれだけ心細い思いさせといて、変な冗談言うのはやめなさい。照正さんもどんなに心配したか。」ピシャリと言われ、春奈は本気で首をかしげた。
「何を言っているの?私の高校は?お休みしているの?」
 母は瞳を大きく広げ、ナースコールを押した。
「先生!春奈が変です!先生!」





あとがき

えーーっと(汗
書きながら何度か訂正しました。名前とか(汗
訂正中に読んでくださった方すみません。
目下就職活動頑張っていて、仕事につくまで小説を1つ仕上げようと書き始めました。
来週の月曜日も正社員の面接があります。
条件が良いので決まるといいな。

では、続きも頑張って書いていきますので、読んでもらえたら嬉しいです。





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Last updated  2004.08.13 21:09:33
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