Tarsha's Trace

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2008.04.21
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そんな本の中に、村上春樹の『羊をめぐる冒険』があった。

ターシャは日本文学でも、現代作家のものはほとんど読まない。けれど、この作家の名前はフィリピンの学生や教授からよく聞かれた。

時間もあったので、気分転換に、彼の本を読んでみることにした。


・・・つまらない。


十数ページ読んで、読むのをやめた。

裏表紙を見てみると、ターシャが生まれた年に書かれた作品だ。


まぁ、案外、昔なのね。


読みながら、外国人作家の誰かが書いたようなスタイルだと思った。この文章から受ける感じを、どこかでも受けたと思った。



でも、これ、全部、「そんなふり」しているだけだ。言ってしまえば、「リアリティー」がない。作者の頭の中でこねくり回されて作られた構造物。外見はよくできていても、その密度は薄い。ぱきっと折れてしまいそうだ。


途中でいらついてきた。


最後のページに飛んだ。

主人公は、自分で、「2時間泣いた」と言っていた。こんなに泣いたのは生まれて初めてだと言っていた。主人公は最後に、ズボンについた砂を払って歩き出していた。

本気で泣いていたら、時間の経過など気にしていられない。泣いている只中はもちろん、泣き終わった後も。「~時間泣いた」なんて、振り返らないものだ。まして、次に向かって歩き出しているのなら。


papa いわく、

:「羊」とは、女のことなんだよ。だから、「女をめぐる冒険」なんだ。


だそうだ。ターシャは最後まで読んでいないので、シンボルの意味はまだ分からない。そういうpapa も、この作品を最後まで読んではいなさそうだ。


もうちょっと我慢して読んだら、この印象も変わるのかしら。


でも、本当に面白い作品って、最初から読者を惹きつけるものじゃないかしら。

院の授業で批評を書かなければいけない作品なら、我慢して最後まで読む。けれど、そうでないなら、つまらないと感じたものに時間をかけたりはしない。


『ベルセルク』の方がよっぽど面白い!


『ベルセルク』とは、Pagasa、Talino、 papa がはまっている漫画で、キリスト教的な世界観と、それに抗う主人公の闘いの物語。中世ヨーロッパで行われた魔女狩りなど、史実も織り交ぜている。その描き方は、かなり「おどろおどろしい」。

しかし、人間の内面、特に、他者も己れも喰ってしまう欲望やエゴイズムといった暗い部分や、人間自身も知れない無意識層、人間の感覚では捉えられない世界の別のあり方といったものをよく掘り下げて描いている。


下手な文学作品より、人気漫画の方が優れているという場合が「かなり」あると思いまする。






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最終更新日  2008.04.21 18:22:05
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