2008.06.15
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これまで毎年毎年、フィリピンに留学する後輩をたくさん見てきた。その中でも今年は、人数が一番多い。初めはそれが嫌だった。
： よりによって、なんで？・・・自分にとって一番大事な勝負の期間に、ケアを必要とする子達が多いなんて。
そんな嘆きごとを、フィリピンに20年以上住まれているターシャの先輩にメールでこぼすと、先輩は言われた。
おめでとうございます。人のために苦労できる自分になれたと思って、腹を決めてケアしてあげてください。慈悲が根本の Buddhism です。関係を断ったり、避けたり、二乗になってはいけません。もちろんケアといっても、見守ることが大前提ですが。
「おめでとう」・・・「二乗」・・・思わぬ言葉に若干、ショックを受けた。否が応でも、ちょっと苦い思いを感じながら、自分の心をしげしげと見つめずにはいられなかった。
これまで人の中に見出していた醜い利己心を、批判していた自分の中にも見出したのだった。
前よりも「見える」ようになって、かえって人を見下してた部分、傲慢な部分があったのだった。
でも、この「気づき」が一時帰国中、私のひとつの転換点になったのだと思う。
これぞ、自分の中の「一凶」というべきか。それをスパッとはっきり知らせてくださった先輩に、心から感謝している。こう言ってくれる人が、今はなかなかいないから。
自分だって「なぁ～んにも」知らなかったのだ。それを、こうやって見守られ助けられて、今いるのだ。
至らぬところが多々見える後輩を、「決め付け」てはいけないということ。決め付けると、それからはみ出す他の部分が排除されてしまうから。
まず認めてあげること。全部が全部、悪いわけではないのだ。ただ「知らない」のだ。これが急所なのだけど。しかし一方、良いところだって必ずある。
人を見るに柔軟な目を持つこと、そしてその人の成長を祈ること。
助けているようでいて、実は自分が助けられていること―自分の命を広げさせてもらっていることを実感している。
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