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カテゴリ: Book Review
「サザンクロスの翼」(高嶋哲夫、文春文庫)を読む。

太平洋戦争末期、レイテで沈没した艦に乗っていた脱走兵の野村、特攻の生き残りの峯崎、改造された輸送艦「ダコタ」で運び屋をやっているマリア。無人島に辿り着いた3人を軸に、戦闘と平和、生と死、支配と独立といったテーマを描いた1作。

描かれているテーマが重い割に登場人物中心の描写なので、ストーリーを追っていて楽しいし、どんな結末を迎えるのか期待を持って読める。私もあっという間に読めてしまった。

印象に残ったところを引用させて頂こう。



「みんなおかしなやつらなんだ。この戦争をやっているやつら全員が」

「最後の血よ。尊い血。誰も後悔はしない」
「血は血だ。苦しみをもたらし、命を消し去る血だ」
操縦桿を握ったまま、峯崎は怒鳴った。心底そう思った。これ以上、人が死ぬのを見たくない。

「…私は私」
…
「自分は自分ってわけか」


ただし、相変わらず最近の小説には付き物の誤植というか変換ミスが見られた。

P.93の「ヘンリーと 出合った 」は「 出会った 」の誤り。「 出逢った 」なんてブンガク的な漢字でもいいかもしれない。

」は「 収まった 」の誤り。

最近はいわゆる「電子入稿」最盛期なので、こういう変換ミスがそのまま出版される。編集者もちゃんとチェックしてないことが見え見え。これでは、せっかく作品が面白くても、ちょっと興ざめしてしまう。

でもこの作品自体は面白いよ。


サザンクロスの翼/高嶋哲夫





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Last updated  2012.04.26 06:36:33
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