t-cross Private Research Institute (tPRI)

t-cross Private Research Institute (tPRI)

PR

×

Calendar

Profile

t-cross

t-cross

Archives

2026.10
2026.09
2026.08
2026.07
2026.06
2014.02.23
XML
カテゴリ: Book Review
「首都感染」(高嶋哲夫、講談社文庫)を読む。

ワールドカップ開催に沸き立つ中国・北京。しかし、そこから遠く離れた雲南省で、極めて致死率の高い強毒性新型インフルエンザが発生。その事態を隠し通そうとする中国。しかしその一方で、中国から自国に帰るサポーターたちによってウィルスは世界全体に広まっていく。そんな中、日本でも感染者が発見される。これ以上の感染拡大を防ぐために日本の首相は首都・東京の都心の封鎖を決意する。

この新型インフルエンザによる死者数は、過去世界で発生したあらゆる大戦や自然災害を上回る勢い。しかし日本だけは首都封鎖のおかげで死者数を極めて低く抑えられている。そこにはもちろん、この災厄と闘う人々がいるのだ。総理大臣、その息子である主人公(元WHO職員)、その元妻、その父、主人公の働く病院の医師・看護師、実際に首都封鎖を行う自衛隊などなど、本書で活躍する人々は枚挙に暇がない。しかも彼らの献身的なという言葉を超えた働きぶりは凄まじいものがある。

巻末解説にあるように、この作品は今後起こるかもしれないパンデミックを先取りして書いた「将来ノンフィクション」としても読める。もちろんそんな視点を持たなくても先が気になってどんどんページを繰ってしまう勢いのある作品だ。強いて難を上げるとすれば、話の立ち上げが長いのに対して、終末・エピローグが短すぎる感じがするところか。最後は正直書き切れてなくてバランスの悪い感じがする。パンデミックの恐ろしさを前面に出しながら、最後がヒューマンドラマで終わってしまうのは(ハッピーエンドなのはいいことだが)、やはりちょっと腑に落ちないというかなんというか…残念な点である。

そんな点を抜きにしても、「if(もしも)」のリアルな話として楽しめるし勉強にもなる1作だと思う。

これでやっと今年10冊目。2桁台に漸く到達。


首都感染/高嶋哲夫





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2014.02.23 16:43:25
[Book Review] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: