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カテゴリ: Book Review
「海の鳥・空の魚」(鷺沢萠、角川文庫)を読む。

人生で何度目かの再読である。この本は間違いなく、私が人生の中で最も多くの回数繰り返して読んでいる1冊で、ある意味自分にとってのバイブルである。

そんな本書に収められた短篇小説たちを、今回は後ろに収録されているものから順に読み返してみた。最初に収録されている「グレイの層」の結末があまりにも印象的なのでそうしてみたのだが、これが奏功したというか何というか、これまでとはまた違った印象というか感想を、本書全体を通して受けた。

短篇からの引用というのはなかなか難しいかも知れないが、今回気に入ったところを幾つか引いてみよう。



―わからない。何にも変わってないような気がする。
―何を失くしたのかな。
―いろいろなもの。
―何を得たのかな。
―いろいろなもの。でも失くしたものよりは少ないのかな……。
 「横顔」より


そうして思ってしたことでなくとも、優しさとか善意とかいうものは確かに人間を救うことがあるんだな。
 「ほおずきの花束」より


十代のころ、時間といういれものはその許容量を最大限に拡げる。
 「クレバス」より


―こないだなんか、マスカラのつけすぎで睫毛がゴキブリの足みたくなってたわ。
 「東京のフラニー」より


踏み出す一歩とひきかえに、何かたいへんなものを失くしてしまいそうな気がした。けれど、踏み出さなければ、自分のなかでいちばん輝いているものが死んでしまうような気もした。
 「グレイの層」より


そして私が本書をバイブルのように愛する理由である<あとがきにかえて>は、以前読んだときの感想( コチラ )を参照。

これで今年29冊目。






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Last updated  2014.09.28 08:48:03
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