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カテゴリ: Book Review
「さよなら妖精」(米澤穂信、創元推理文庫)を読む。

ある日、雨宿りをする一人のユーゴスラヴィア人少女マーヤと地元の高校生たちが出会う。マーヤは2か月で国に帰らなければならかったが、日本の友人たちと遊び、有意義な時間を過ごす。マーヤは日本の文化のあれこれや日本語に非常に興味を示し、友人たちもマーヤをあるときは楽しませようと、またある時は誤解させないようにしようと、いろいろと話すうちに彼らは親密になっていく。

やがて彼女は帰国。その後、友人たちの間である大きな謎解きが始まる。詳しくはネタバレになるので書けないが、ユーゴスラヴィアは今は存在していなく、6つの独立国家になっているのがキーである。

米澤作品なのでミステリ・謎解きを期待してしまうが、終盤まではほとんどミステリらしくなく、マーヤと友人たちの日常を描いただけの話が大半を占める。もちろん謎への伏線はあるが。そして最後の謎解きは、やはり全く予期せぬものだった。

ちなみに本書は2つの意味で中高生時代に読みたかったなと思う(つまり、今の中高生に読んで欲しいということ)。ひとつは、日本人とユーゴ人との異文化交流が見事に描かれているからである。もうひとつは、ユーゴの歴史・社会・文化そして消滅の経緯などについて、世界史の教科書でも扱わないようなことが書かれているからである。

ところどころ、ユーゴの言葉がそのまま登場するのも特徴的。カタカナの箇所もあるが、原語の綴りそのままのところもあり(カタカナでルビはあるが)、正直ちょっと面喰った。

こういうミステリってのもアリなんだなと思わせる1作。これまで読んだミステリとは一線を画す作品なのではないかと思った。

今年38冊目読了。


さよなら妖精/米澤穂信





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Last updated  2015.05.17 00:43:42
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