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カテゴリ: Book Review
「惑星カロン」(初野晴、角川文庫)を読む。

敢えて巻末解説の最後の段落を丸ごと引用。


<ハルチカ>シリーズは少年少女の物語であるとともに、大人達の物語でもある。あえて書こう。青春小説とは、大人のためにあるのだ。「青春の終わり」を終え、「大人の始まり」を始められずにいる、あなたのためにある。


昨年TVアニメ化、今年実写映画化された<ハルチカ>シリーズの特徴はと言えば、学園モノというとっつきやすさと、それをいい意味で裏切るミステリとしての本格さだと思う。しかし本作についてはその限りではなく、もっとそれを超えた「何か」が描かれているという感じを、読んでいる間から持たされた。巻末解説にあまりに上手くそれが書かれていたので、ついそっちから引用させてもらった。

ミステリとしては、呪いのフルートだったり暗号だったり旧校舎(の窓)全開事件だったり人工知能を使った人格のコピーだったり、一見互いに関係なさそうだし、まして吹奏楽と関連するのはフルートだけかと思いきや、実は密接に関係し合ってひとつの流れができていて、それをもって<ハルチカ>シリーズの転換点としているのである。起承転結の「転」にあたる部分。

実際、読後感としては「水の時計」「漆黒の王子」「トワイライト・ミュージアム」「私のノーマジーン」といった他の初野作品のテイストに似ている気がした。いずれもちょっとダークっぽいファンタジーとミステリを融合したような作品だ。ある意味初野の真骨頂が表れている作品だと思う。

さて、以下は作品中からの引用。


「バッカス?」
(中略)
「バカとカスが集まる最悪の日だよ」
(『チェリーニの祝宴』より)

「ないどころか、武器屋で棍棒が買えたら、ボコボコにしたいときがあるんです、ううう……」
(『ヴァルプルギスの夜』より)

例えば「日本にピアノの調律師は何人いるか?」という問題を、フェルミ推定で考えてみることにします。
(『惑星カロン』より)


ちなみに私の好きなキング作品もちょっと登場。「デジタルツイン(ズ)」って「ペット・セマタリー」に出てくるミクマク族の埋葬地のデジタル版なのね。私の初めて知った。

あと、ピアノの調律師の話は知っていたが、フェルミだったか他の誰だったか、偶々最近気になっていて、こんなところでスッキリしてしまった。


さて、やっと今年4冊目(455ページ/累計1864ページ)




惑星カロン/初野晴





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Last updated  2017.04.13 08:24:07
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