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カテゴリ: Dragon Quest
FC版DQ4のCD(N響版)のブックレットに、こんな言葉がある(一部抜粋)。


対象を愛していない人の言葉はむなしい。いかにいいまわしが巧みであったり、表情ゆたかであったりしても、口先だけの言葉は相手をうたない。ことは、言葉にとどまらない。対象を愛していない人のおこないにもまた、そらぞらしさがつきまとう。好きでもないものに対していかにも好きそうに装っても、それは通らない。嘘が露顕しなかったためしはないからである。相手が音楽であっても、映画であっても、あるいはゲームであっても、対象を充分に愛せさえすれば、それだけ深く楽しめる。(黒田恭一)


同じFC版DQ4のCD(ロンドン・フィル版)のブックレットに、こんな言葉がある(一部抜粋)。


バレエ化の着想は、この夏《ドラゴンクエスト4》(1990)の演奏会に行った時に湧いた。むせかえるような熱気の立ち昇る会場で、異様な装束のグループ14,5人に出会ったのである。たぶん高校生か大学生だと思うが、彼等は《ドラゴンクエスト4》の登場人物達-勇者、アリーナ姫、武器屋トルネコ、モンバーバラの姉妹ミネアとマーニャ等々-の衣装を、思い々々の工夫を凝らして着込んでいるのである。しかもボール紙に銀紙を巻いた武器まで手にしているのだ。このなかでも、特に踊り子マーニャの衣装を付けていた少女についてはどうしても書いておかねばならない。マーニャの役どころはジプシーで、色浅黒く、半裸に近い服装である。おそらくその少女は、この演奏会のために夏休み中、肌をほどよくやいたのであろう。水着の跡がマーニャの衣装以外のところに白く残らないように、マーニャの衣装通りにやいていたのだ。市販の水着ではなかなかこうはいかない……のではないかとオジサンとしては推測せざるを得ないのである。彼女は音楽会の切符を手にしたその日から、あるいはもっと前から、当日までのおよそ2カ月余、マーニャになりきった日々を過ごしたに違いない。(佐野光司)


N響版は、文字通り「私が生まれて初めて買ったCD」である。ブックレットの文章などは、ふつう最初に一読するが、それ以降再読することはあまりないのではと思うが、最初の一文が無意識のうちに私の心に刷り込まれたか、はたまた年をくってその良さがわかるようになったか、その辺は自分でも謎なところだが、何故か最近改めて読んでみたくなったのだ。で、読んでみると、これが名文であることが判ったのだ。

ロンドン・フィル版は今年に入ってから中古で見かけて買ったのだが、時代としてはFCの時代なのでもうかなり昔の話である。文中に登場するマーニャ役の少女の気持ちを一言で言うなら、それこそ「対象を愛していた」のではないだろうか? まぁ単に私がマーニャ好きだから印象に残ったということもあるが。

で、つまり何を言いたいのかというと、私がDQを語る文章(言葉)が読む人にむなしくうつっていなければいいなぁということだ。大丈夫だという自信はあるが。





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Last updated  2017.08.08 10:43:42


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