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カテゴリ: Book Review
「盲目的な恋と友情」(辻村深月、新潮文庫)を読む。

音大ではない私大のオーケストラに所属する女子学生や、そこに出入りする人物たちの恋と友情を描いた話。同じ話を2人の別の登場人物の視点で描いた「恋」「友情」の2篇からなる。

まず「恋」を読んで思ったのは、周りの誰もが「別れるべき」と助言するような男とも別れることなく寧ろ求め続けてしまうという(女性の)恋への執着心の怖さである。そして結末の意外さと、その怖さもなかなかのものである。

そして「友情」のほうは、「自分の唯一の親友」を独占したい女性心理を描いており、それはそれで怖い。そして「恋」で描かれなかった結末に大変驚かされた。

辻村というと私は「冷たい校舎の時は止まる」や「スロウハイツの神様」が好きでその印象が強いので、最近作風変わったなと思ったのだが、実は本作はそうではなく、かなりダークでミステリの要素もあり、正直面白かった。まぁ「恋」も「友情」も行き過ぎると「ホラー」だなと思った。


以下、気に入ったところの引用。

昔から、情緒が薄い、と言われてきた私にとっての、今が思春期なのかもしれない。悪くない気持ちだった。

相手の仕事をいつから観ていたとか、作品が好きだとか、そんな、高尚なことは、恋の前には何の価値もないのだ。
(以上「恋」より)

成績がいい子だけが通う学校では、世界はこんなにも変わって見えるものなのかと驚いた。

恋愛が、それほどまでに友達を疎かにしていいことなのだと。その浅はかな信仰がまかりとおる世の中に、ほとんど、嫌悪感を覚えた。
(以上「友情」より)

好きだからって言うけど、『好き』って気持ちはそんな、何もかもより一番偉いの? それは蘭花ちゃん自身の快楽と欲だよ。
(「恋」「友情」より)





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Last updated  2018.11.03 11:44:37
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