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カテゴリ: Book Review
「第四解剖室」(スティーヴン・キング、新潮文庫)を再読。

「蛇と男根と手袋」では、「部屋とYシャツと私」の三文パロディにもならないんであるが、蛇と男根はフロイト的には関係があったはず。記憶が正しければ。

キングの長篇に関しては文庫化作品の大半を再読している私ではあるが、こと短篇となるとあまり再読したことはない。「入り江」や「霧(ミスト)」など映画化された短篇を再読している程度で。実際、短篇というのは難しいらしく、この短篇集でもキングはいきなり言い訳めいた序文から入り、更に作品ごとに自ら解説をしている始末。でも、本棚の隅の一番目に付くところにこの短篇集が立っていたこともあり、今回再読してみた。

まぁ表題作は秀作である。まだ生きている人間が何の手違いか死んでいるとされ、生きたまま検死解剖されるという体験を綴った作品で、正統派なホラーというか、単純な怖さが感じられる。この作品が印象的すぎるというのもあるかもしれないが、他は正直イマイチというか…敢えて1作品どれがよかったかと問われれば、「死の部屋にて」だろう。情報をよこせば命だけは取らないと言われてはいるが、情報を出しても結局消されるだろうなという男が、いかにそこから脱するかという話。密室&スプラッタというホラーの常套手段を使いつつ、結末もキングらしい。

以下、相変わらずの引用。しかし、短篇からだと引用も難しいのだが。

自分は死ぬのだと、ふいに確信した。しかも、苦しみ悶えながら死ぬのだと。だが、それ以上に怖かったのは、死よりも恐ろしいことが待っているかもしれないことだった。
(「黒いスーツの男」より)

ごちそうを吸ったばかりのカをたたいたときみたいだ―あたりいちめんの赤ワイン。
(「ジャック・ハミルトンの死」より)

反対側の歩道には若い女たちがいた。男なら、どうしても夏服の女たちに視線を吸いよせられてしまう。人間のさがというものだ。
(「死の部屋にて」より)

ローランドの知るかぎり、十字架の神の教えは他の宗教と変わるところがない。すなわち、愛と殺戮はわかちがたいほどひとつに結ばれる―最後には。神は常に血を欲するのである。
(「エルーリアの修道女」より)






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Last updated  2018.12.14 22:04:53
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