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カテゴリ: Book Review
「いかしたバンドのいる街で」(スティーヴン・キング、文春文庫)を再読。

キングの短篇集を再読しよう!のシリーズ第4回。ここまで読んできて気づいたのだが、短篇とはいってもそこはキング作品。基本的に他の作家のよりも長く、50ページくらいは平気である。私の記憶が確かならば、映画化もされた「霧(ミスト)」は約100ページ。おそらくこの3桁に乗るか否かがキングの短篇と中篇を分ける壁なのだろう。

さて、今回も気に入った作品を紹介。若干 ネタバレ

「動く指」…バスルームの排水溝から突き出てきた1本の指と、それを発見した男の戦いの物語。男の装備は、排水溝クリーナーと電動植木鋏。もしあなたが排水溝から指が出ているのを見つけたら、どうするだろうか?

「いかしたバンドのいる街で」…正直、表題作だから触れないわけにはいかないよな、というところ。旅行中に車で道に迷い、近道をしようとして更に迷い迷って辿り着いた街の名前が「ロックンロール・ヘブン」。そこは名前だけではなく、文字通りのロック天国。なんといっても町長は(死んだ)あの人だし。でも私ロック詳しくないから多分半分くらいしか楽しめてないよな、この作品。

「自宅出産」…初読時に比べて再読時のほうが印象が鮮明になった作品がこれ。夫に先立たれ、しかも身重な女性が暮らすのは因習根深いとある島。そんな小さな舞台から話は始まるが、いつの間にか全地球的危機の魔の手が現れ、いよいよこの島にも到達しようとする。イメージとしては短篇版「ペット・セマタリー」という感じ。生と死と愛とを描いた物語。

それとまた発見。「スニーカー」に、ドナルド・トランプの名前が登場。勿論、侮蔑の対象として。

以下、気に入った箇所の引用。

「でも―安物を買えば自分も安っぽくなるってところね」
(「動く指」より)

「道に迷ったわけじゃない。どこかでちがう道にはいっちまっただけだ」
そうね、ジャック。二つならべるとこんな美しい音楽のように聞こえる言葉が、世界の歴史がはじまって以来ほかにあっただろうか?
(「自宅出産」より)





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Last updated  2018.12.28 09:48:09
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