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カテゴリ: Book Review
「硝子の太陽R―ルージュ」(誉田哲也、光文社)を読む。

地下アイドルとして活動する女性とその母・兄が惨殺され、死後更に股間を拳銃で撃たれるという凄惨な一家殺害事件が発生。現場には犯人がビールを飲んだ痕跡など証拠と思われるものが多数残されていた。勿論、指紋も採取されたことから、当初解決は時間の問題と思われた。ところが、当該指紋に該当するデータはなく、捜査は完全に暗礁に乗り上げる。

そんな中、米軍基地反対デモを巡って別の殺人事件が発生。姫川班からも姫川を含む数名がそちらの捜査に加わることになる。ところがそこには姫川と「犬猿の仲」のガンテツが。ガンテツが姫川を陥れようとして掴ませた文書から、姫川は逆にヒントを見出し、最初の一家殺害と関係があるかもしれない過去の同様の一家殺害事件に辿り着く。

と、まだまだその先にいろんな出来事があって、デモ関連事件も最初の一家殺害事件も犯人が特定されるのであるが…と、まだまだあるんです。正直、「これでもう決まりでしょ」と思ってから更なる意外過ぎる展開が待っている。どこまでこの謎の洞窟は繋がっているのだろう、という感じ。そして切な過ぎる結末。

本作も対になっている「N―ノワール」と同じく米軍問題、特に安保や地位協定、沖縄問題などを扱っていて、私は知らないことだらけで、勉強になった。それでいて姫川たちの話はやっぱり読んでいて単純に面白い。ノワールの東と本作の姫川、何が同じで何が違うのかなとふと思ったのだが、ふたりともスタンドプレイをするところが共通しているが、姫川はそれでもチームの和というものも非常に大事にしている。対して東は、周りは全部敵だと思い、ホントに何でも単独で行いたいタイプかなと思った。まぁ確かに私も姫川班で仕事をしてみたいという思いにもかられたが、どちらかというと自分は東タイプなんだよなぁと思ったりもする。

さて、本筋と関係ないところで驚いたことがある。姫川が捜査の過程で昔の新聞を調べに図書館を探すのだが、その時最初に見つけたのが「渋谷区立本町図書館」―何を隠そう、私がこの本を借りた図書館である。そういえば、その図書館のすぐ側には本作での姫川班の活動拠点である代々木署があるし、姫川班行きつけの焼き鳥屋は初台駅近くに設定されている。知らず知らずのうちに私は本作の「聖地巡礼」をしていたのだ。いや、巡礼っていうか近くに住んでるだけなんだけど…今まで気づかなかったなぁ。正直、驚いた。この街を姫川が歩いたのだと思うと、見慣れた景色も違って見えてきそうだ。

さて、今回「N」と「R」で共演を果たした姫川と東であるが、まぁ今回のはニアミス的なものだ。今度は本格的に姫川と東がタッグを組む、なんていうのも読んでみたい。少なくとも本作「R」は、更なる新しい展開を覗かせる形で終わっているので、姫川の今後がどうなるのか、非常に楽しみである。

それにしても、である。誉田哲也(の描写)って、実際に人を殺してバラした経験があるんじゃないかと思わせるね、相変わらず。

以下恒例の引用。今回は腐れ外道なガンテツの台詞なんかも入ってる。

一人を尾行するには、最低でも三人以上は必要だということだ。

少しはそれっぽい貫禄がついてきた、ということだろうか。だとしたら、それは刑事として喜ぶべきか、それとも女として悲しむべきか、難しいところだ。

「なんの話だ、寝言と鼾は逃げた女房にでも聞かせてやれ」





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Last updated  2019.06.09 08:23:43
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