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カテゴリ: Book Review
「絶対正義」(秋吉理香子、幻冬舎)を読む。

高校時代の仲良し女子グループの中にいた「正義感の塊」のような生徒・高規範子。グループのメンバー誰もが彼女に助けられた経験を持ち、感謝しているものの、価値観が「正義」のみという堅苦しさや融通のなさから、実はみんな息苦しく感じていた。もっと正しく言えば、「他のメンバーは範子のことを尊敬しているかもしれないが、私だけは嫌っている」とみなが思っていた。

そんなメンバーが卒業してだいぶ経ってから定期的に食事会を開き、会うようになる。しかしその頃になっても範子の「おせっかいすぎる正義感」に誰もが悩まされていた。そしてついにある食事会の後、山中をドライブしている最中に誰からということもなく突発的に範子を殺害、死体と車を谷底に遺棄する。

そしてさらに時間がたち、そんなことも忘れたころに恐ろしいことが…何と、殺したはずの範子から結婚式への招待状と思しき封書がメンバー全員に届いたのである。これは一体何を意味するのか?殺し損ねたのか?事情を知る者の脅迫なのか?ひょっとしてメンバー内の誰かの悪戯なのか?とりあえず話し合い「招待に応じる」ことにするメンバーたちを待っているものは…。

心温まる終末を迎えるのかと思いきや、ラストわずかなところからのどんでん返し。ホントにいろんな意味で怖い終わり方。正義には麻薬作用があり、しかし正義であるから麻薬のように罰せられることはない。ある意味究極的に怖いのは、タイトルにある「絶対正義」なのではないか、と思わせる作品。私は非常に好きなタイプ。

以下、印象的だった箇所の引用。

Because は、日本では一般的には「なぜなら~」という接続詞として認識されている。しかし、Beause にピリオドを打てば、それは「どうしてもだ」と言い切る意味になる。

百パーセント正しい、ということは、それだけですでに大きな欠点なのだと理穂は初めて知った。

完璧な正義は、なんと野蛮で暴力的で、禍々しくあることか。そこには少しの優しさも赦しも入る余地はない。





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Last updated  2019.10.05 09:23:46
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