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カテゴリ: Book Review
「名探偵だって恋をする」(伊与原新・椹野道流・古野まほろ・宮内悠介・森昌磨、角川文庫)を読む。

短編小説というのは難しい、書くのも読むのも。ましてそれがアンソロジーとなると…。執筆陣の名前を見るとみんな超一流なのに、蓋を開けてみると「ハズレを引かされた」と思わされる、そんな経験が私にもある。

しかし、本作は決してそんな「ハズレ」ではなかった。収録作はどれも他の長編やシリーズものからのスピンオフ短編で、そもそも私が知っていたのは伊与原新と古野まほろの2名のみなので、他の作家や作品に対する不安はあったのだが、読んでみて基本どれも面白かった。

伊与原新は「プチ・プロフェスール」のスピンオフで、「リケジョ」を夢見る女の子が主人公のちょっとした「科学謎解き」的な作品。古野まほろは私も大好きな超本格学園ミステリ「セーラー服と黙示録」のスピンオフで、学園で発生したロザリオ盗難事件を描いている。

他の初読作家の作品もなかなか面白く、森昌磨の作品は大学の「推理研究会」ならぬ「酔理研究会」という「酒飲みサークル」を舞台にしたミステリ、宮内悠介は「幽霊船」ならぬ「幽霊飛行機」を舞台にした音楽家たちの物語、椹野道流はロンドンを舞台に、日本の「寄木細工」を証拠品とした事件の謎解き、といった感じ。どれも個性的な世界観で読ませるミステリ。

因みに、タイトルに反してどれも恋愛小説ではない。

以下、気に入った箇所の引用。

酔えば素敵な理が見える
(森昌磨「花酔いロジック」より)

「―迷いを持つ者の音には、爪の先ほどの値打ちもない!」
(宮内悠介「空蜘蛛」より)

「そのお菓子」とみづき。夜のみづきはちょっと怖い。「今日子はどこに隠匿してたの?」
「図書館のコピー機のなか。図書委員だし、B4とA3のトレイってまず使わないから」
(古野まほろ「消えたロザリオ 聖アリスガワ女学校の事件簿1」より)





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Last updated  2019.10.24 15:17:52
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