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カテゴリ: Book Review
「熱域―ヒート・ゾーン―」(森真沙子、小学館文庫)を読む。

本との出会いは人との出会いに似ているところがある。ふとしたきっかけでの再会、それが私と本作との出会いだった。

森真沙子の作品は大学時代にけっこう好きで読んでいた時期がある。学園ミステリの「転校生」シリーズが特に印象に残っている。が、それ以外は読んだことがなかった。それが最近、近くの図書館の書架(しかも普段チェックしない文庫本の書架)で偶然発見したのだ。すぐにあらすじをチェックして「これは読まねば」と思った。私は神は信じないが、何かしら「見えざる手」に導かれて本書にいざなわれたのではないかと思う。

ストーリーは、民間の気象予報会社に勤務する女性気象予報士を主人公にしており、彼女の父親が危篤になったことを知らせるために家出状態にある弟(しかも暴走族メンバーでもある不良少年)を捜すことから始まる。しかしその弟というのが、猛暑の夏の昼間にひとりでバイクを暴走させていたところ、白バイやパトカー、挙句の果てにはヘリにまで追跡され、交差点でハンドル操作を誤って死亡してしまう。

ところが、その事故の目撃者によると「バイクが炎上する前に、ライダーの体が発火した」ように見えたという。「人体自然発火」なんでホントに起こるのだろうか?主人公は事件の謎を追い始める。そしてその行方に待ち受ける意外すぎて巨大すぎる謎の正体とは…というSFホラーミステリ。

あぁ、何かやっぱり私ってこの人の作品好きだなぁ、と長い年月を経て再認識した気がする。科学とホラーとオカルトとミステリが適度にミックスされていて、勿論ストーリー展開や個性的な登場人物も魅力的だし、これが一番大事なのだが「読んでいて楽しい」作品だった。

以下、印象的だった箇所の引用。

「地球は凄い音を立てて自転しているけど、その音は僕らの耳には聞こえない。気象って、その音に耳を傾けることなのかなと……」

電話はろくな知らせを運んでこないくせに、ベルの音はいつも危機感に満ちていて、いつまでも鳴り続ける。

台風は突然、予報を裏切る動き方をする。あまりに的確に人の弱みを突いて、嘲笑うように大災害をもたらす。

本書にも登場するが、ホラーで人体発火と言えばスティーヴン・キングの「キャリー」などがあるが、アレは念力発火で本人は燃えない。「きゃりー」は「キャリー」に燃やして欲しいが…。





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Last updated  2019.10.30 19:57:42
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