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カテゴリ: Book Review
「マイル81 わるい夢たちのバザール1」(スティーヴン・キング、文春文庫)を読む。

2分冊短編集の1冊目。短編というのは書くのも読むのも難しいと相変わらず思わされるが、そこは勿論キングのこと、面白い作品を揃えてくれている。各作品の前に「著者の言葉」として自作解説が収められており、短編は難しいと言いながらも自作に高い評価を与えている辺りがこれまたキングらしいなと思わされる。また、短編の創作過程の覗き見をしているようでもあって面白い。

印象的な作品を挙げるとすれば…。

「マイル81」…表題作。「クリスティーン」や「回想のビュイック8」を彷彿とさせる、この世のものならぬ異形の車を描いた作品。閉鎖された高速のサービスエリアのランプに止められた泥まみれの車と、それに近づいた者の運命を描く。

「砂丘」…とある島の陸からは見えない側にある砂丘に、時々現れる枝ででも描いたような人の名前。それはまもなく死ぬ人の名前なのだ。ある時その砂丘に大量の人の名前が現れるのだが…。

「悪ガキ」…これもこの世ならざる存在である悪ガキの話。コイツが現れると身の回りで誰かの命が失われる。まるで、逆「グリーン・マイル」のような感じ? キングらしい短編。

「UR」…大学の英文科講師が振られた「意趣返し」のために「キンドル」を購入するのだが…この電子書籍端末では、この世に存在するはずのない本―シェイクスピアやヘミングウェイの「死後」に「本人」が書いたとされる―をダウンロードして読むことができる。それらは本当はどこからやってきたものなのか、それを追究する過程でとんでもない発見と事件が起こる、という作品。

やはり「マイル81」と「UR]が読みどころかと思う。あと「モラリティー」には「図書館警察」がちょっとだけ登場している。

以下、印象的な箇所の引用。今回は1箇所だけ、しかも「著者の言葉」から。

信仰とは、その語の定義によれば、証明のいらない信念である。(「アフターライフ」著者の言葉より)





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Last updated  2021.01.03 07:33:22
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