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私はいつも通り、5時すぎには目が覚めて、 ひんやりした外の空気の中で洗濯物を干しました。 朝の空気って、ちょっと背筋が伸びるのに、 どこか優しくて、静かに寄り添ってくれる感じがあります。干し終えて玄関へ向かう途中、 視界の端にふわっと色が飛び込んできて、 思わず「あっ」と声が出ました。そこに、プリンセス・チチブが 早朝の光の中で、まるで 「今日も大丈夫よ」 とでも言うみたいに咲いていたんです。 胸がふわっとして、カメラを取りに戻る足取りも軽くなりました。片付けをすませ珈琲を飲んでいると、 7時半にクマさんが起きてきました。 クマさんはカフェイン禁止なので、 大好きな珈琲を横目に、ちょっと寂しそうにしていました。(その横顔がまた可愛いんですけどね)そのあとノブが支度をして2階から降りてきて、 玄関で、「今日、お昼はいらないから」とだけ言って、すっと出ていきました。 あの“必要最低限だけ置いていく感じ”、 昔から変わらなくて、つい笑ってしまいます。クマさんが怪我をする前の夜、 三宮の中古本の話をしていました。 「父さん、欲しい本があったらメモしといて。あれば探してくるから」 とノブが言い、クマさんが嬉しそうにメモを渡していました。私は「一貫楼の豚まんが食べたいな」と言うと、 ノブは「電車の中でかなり臭うから無理やで」と苦笑い。 するとクマさんが 「蒸してないのがあるから、それなら匂わへんよ」 と教えてくれて、 “豚まん会議”みたいになって3人で笑いました。YouTubeで評判のトマトの話もしました。 「そんなに美味しいなら食べてみたいね」 そんな、なんでもないけど温かい会話でした。ノブはその会話を全部覚えていて、 三宮で蒸していない豚まんを買い…評判のトマトも手に入れて・・その足でお姉ちゃんに会いに行ったようです。 連日来てくれたノブを見て、姉はびっくりしたみたい。ネットで評判のこのトマト。 姉は受け取って食べてみて、「トマトというよりフルーツだね」と、とても喜んでくれたそうです。もちろん姉の分の豚まんもしっかり渡して…。 兄が近くにいるので、ノブや長男、甥二人を 平等に可愛がってくれた姉。 甥が来て世話をしてくれると、 ノブはその優しさをちゃんと感じています。ノブの優しさって、 大げさじゃなくて、 “覚えていてくれる”という形でそっと出てくるから、 胸の奥がじんわり温かくなります。夕方、「迎えに来て」とラインが入り、 駅まで迎えに行く車の中でノブが言いました。「何か買い物あったら付き合うよ。 重いものとか買う予定ない?」その言い方がまた優しくて、 “ああ、この子はこういうところがあるんだよなぁ”と 口元が緩みました。「夕食は簡単でいいよ」と言っていたノブに、 「すき焼きもできるよ」と言うと、 ノブは静かに、「父さん、出血もしてるし、肉がいいかもね」と一言。 この“気遣い”がまた沁みます。夜は3人で、 以前買っていた黒毛和牛(冷凍していた)を囲んで、 お喋りしながらすき焼きをつつきました。「父さん、本探したけどなかったわ」 クマさんのほしかった本は、 誰もが買うような本ではなかったので、 「やっぱり、なかったか」と。クマさんの痛みはまだあるのに、 鍋を囲むと家の中にゆっくりとした温度が戻ってきて、 トマトが果物みたいに甘くて、 なんだかんだで笑いもこぼれる、 静かで、あたたかい夜になりました。FC2・・はこちらから
2026/05/06
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「家族の声がゆっくりと灯っていった夜のこと」 一昨日、ノブと長男、そして孫たちは 姉のお見舞いの帰りに、ふらりとアウトレットへ寄ったそうで、 手には少し重たそうな袋をいくつも下げて帰ってきました。 靴やジーンズをそれぞれに選んで、 ノブは長男にリーバイスのジーンズを買ってもらったとか。 「3本15000円やから、ノブも一本選び」と言ってくれたそうで、 そのやりとりを想像するだけで、胸の奥が温かくなりました。帰ってきたのは、夕方の光が少し薄くなる頃。 私は台所で、車の音を気にしながらヘレカツや野菜のフライ、スナップエンドウ、 タケノコの煮物のフライを次々と揚げていました。たくさん作ったはずなのに、 気づけばお皿はどれも空っぽで、 その景色がとっても嬉しくて。偏食のみ〜ちゃんは、 新玉ねぎのフライをジィ~~と見つめて「これ何」「新玉ねぎのフライだよ。少しでいいから、 嫌だったら吐き出してもいいよ」と声をかけると、 そっとひと口だけ口に入れて、 次の瞬間、ぱっと顔が明るくなりました。 「美味しい」と言って、 気づけば七つも食べてくれて、 その姿が胸の奥を温かく包んでくれました。実は、バタバタしていて忘れていた そうちゃんの誕生日が5月7日で、 思い出した瞬間にお小遣いを渡しました。 「あ〜ちゃんは、そうちゃんの誕生日忘れないよ」と言うと、 そうちゃんがぱっと顔を明るくして、 満面の笑顔を見せてくれました。最近はケーキでお祝いすることもなくなっていたから、 「すごく嬉しい」と言ってくれて、 その言葉が胸にしみました。そのケーキは、私がノブに頼んだもので、 長男が買ってくれたそうです。 家族の優しさがそっと重なって、 甘い時間が静かに広がりました。本当は来た翌日に帰る予定だった長男が、「もう一泊していくわ」と言ってくれて、早朝の新幹線で静かに帰っていきました。その背中を見送りながら、家族って本当にありがたいなと、胸の奥が温かくなりました。FC2・・はこちらから
2026/05/05
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119の声から始まった一日 あの声のあとに、家族のぬくもりが寄り添ってくれました昨日のこと朝の空気を切り裂くように、 外からクマさんの声が響きました。「119呼んで…!」一瞬、何が起きたのかわかりませんでした。 でもすぐに、 あ、クマさん、さっき薪割りで割れなかった木をチェーンソーで切っていたんだ と頭の中でつながって、私は外へ飛び出しました。納屋へ向かう途中、地面に点々と血の跡。 クマさんは左手をティッシュで押さえて、顔をしかめていました。「どうしたん?」 「やってもた・・チェーンソーが跳ね返って切ってもた・・119呼んで・・」私はそのまま家に走り込み、スマホをつかんで119へ。 ワンコールで救急隊の声が返ってきました。「こちら救急隊です。事故ですか、緊急ですか」 「緊急です。主人がチェーンソーで手を切りました」住所、名前を伝えると、 「確認できました。すでに救急車は出動しています。落ち着いてください」 と、はっきりした声。「何で切ったんですか」 「チェーンソーです。薪を切っていて跳ね・・今ティッシュで押さえています」 「ティッシュは繊維が残るので駄目です。清潔なガーゼかタオルで押さえてください」その言葉で、 ――そうだ、以前使ったガーゼがあった と頭に浮かび、救急箱へ走りました。ガーゼを持って納屋へ戻り、 「ティッシュは駄目だって。ガーゼに替えるよ」 と声をかけてティッシュを外すと、 バッサリ切れた手が目の前に。胸がざわっとしましたが、すぐにガーゼを当てて押さえてもらい、 またスマホに向かって状況を伝えました。「今飲んでいる薬は?」 「高血圧と高脂血症とアレルギーです」 「かかりつけは?」 「〇〇です」「まだ血は出ていますか」 「ちょっと待ってください」 また納屋へ走り、 「血まだ出てる?」 「少しおさまってきた」 「少し収まってきたようです」と救急隊へ。そのとき、外からサイレンの音。 「今、救急車が到着しました」私はその音に導かれるように外へ走り、 隊員の方がストレッチャーを押して来るのが見えました。クマさんも納屋から出てきて、 すぐにストレッチャーに載せられました。「奥さんは追走しますか? 一緒に乗りますか?」 「乗ります」 迷いはありませんでした。 クマさんのそばを離れたくなかったんです。隊員の方が確認します。 「大きな手術や怪我は?」 「胆嚢の摘出をしました。ずいぶん前です。 自転車で転んで鎖骨を折ったときはツカザキ病院へ行きました」 「そこではこの傷は対応できません。ハリヒメに向かいます。確認しますので少しお待ちください」すぐにOKが出て、救急車へ。 ストレッチャーが運ばれる頃には、ご近所の方が数名出てきていました。自宅前のTさんと目が合い、 「どうしたん?」 と小さく聞かれて、 「チェーンソーで手を切ったの」 とだけ伝えて、私は救急車に乗り込みました。クマさんが叫んだのは、10時10分ごろ。 救急車は10分後には到着して、 ハリヒメには11時10分ごろに着きました。納屋でガーゼに替えたとき、 クマさんはいつの間にか長靴からスリッパに履き替えていて、 私はそのスリッパを手に持ったまま、 救急隊員さんの後ろを必死でついていきました。病院に着くと、すでにスタッフの方が待っていてくださって、 私は待合所に案内され、 そのまま椅子に座り込んでしまいました。震える手で次男にラインを送りました。「父さんがチェーンソーで左手の上側を切って、今救急車でハリヒメ来てる」しばらくすると、看護師さんが数枚の書類を持ってやってきました。 名前、生年月日、既往歴、連絡先・・・書くところがいくつもあって、 私は一つひとつ、読みながら、わかるところを埋めていきました。ペンを持つ手が少し震えていて、 字がいつもより細く、頼りなく見えました。その間にも、待合室には次々と人が入ってきました。 受付の呼び出し音、 椅子に座るときの衣擦れ、 小さな子どもの咳、 誰かのスマホの通知音。そんな日常の音が、 私のまわりだけ少し遠くに聞こえていました。書類を書き終えてふっと顔をあげると 時間がゆっくりと流れているような、 でもどこか急かされているような、 不思議な感覚に包まれました。そのとき、スマホが震えました。 次男からの返信でした。「行く」その一言で、胸の奥が少しだけ温かくなりました。すぐに続けて、「電話番号は?」「ハリヒメの?」 「そう…」短いやり取りなのに、 次男の気持ちがまっすぐ伝わってきて、 私は深く息をつきました。40分ほど経ったころでした。 誰かがそっと近づいてくる気配がして、 振り向くと次男が立っていました。「父さんが…」 その小さな声を聞いた瞬間、 胸の奥がきゅっと締めつけられて、涙がこぼれそうになりました。「指、切れた?」 「切れてない。手の上側に深い切り傷。親指が少ししびれてるみたい」 「まだ何も知らされてないの」次男は、周りに聞こえないように小さな声で続けました。「手の上って皮膚が薄いやろ。 だから腱とか神経とか太い血管とか、すぐそこにあるんよ。 もし手が動かんようになったら…父さん、どれだけショック受けるかと思って」その言葉に、私はただ深くうなづくしかありませんでした。 胸の奥がじわっと熱くなり、 待合室の空気が少し揺れたように感じました。それから2時間以上が過ぎ、 ようやく看護師さんに呼ばれました。先生の説明は落ち着いた声でした。「神経や腱のことは専門の先生でないとわかりませんので、 今、形成外科の専門医を呼んでいます。 骨にヒビが入っていないかレントゲンとCTを撮りましたが、 幸いにもヒビはないようです」その言葉に、ほんの少しだけ肩の力が抜けました。しばらくして、形成外科の先生が来られました。「これから縫合をしますので、待合室でお待ちください」そっとクマさんの肩に手を置くと、 涙がこぼれそうになって、 私は必死にこらえました。待合室で、長男にもラインで報告しました。 「父さんがチェーンソーで手を切って、今ハリヒメにいる」 短く、でも必要なことだけを送って。しばらくすると、スマホが震えました。 長男からの電話でした。私は小さく息を整えて出ました。「どうしたん」 「父さんがチェーンソーで手の上を深く切って・・今、縫合をしてて、呼ばれるのを待ってるところ」できるだけ簡単に、でも落ち着いて説明しました。 待合室のざわめきの中で、 長男の声だけがまっすぐ耳に届いて、 そのことが少しだけ心を支えてくれました。「わかった。今どこにおるん」 「待合室。まだ呼ばれてないの」「ノブも来てくれるから」 そう長男に伝えると、 電話の向こうで少し笑いながら、「指、切断してないんやろ。良かったやん」と軽く言われて、 私は思わず、「笑い事やないわ」と返してしまいました。看護師さんに呼ばれたのは、それからさらに2時間近く経ってからでした。 長い長い待ち時間でした。処置室に入ると、先生が縫合したあとを見せてくれました。クマさんの手の上には、 まっすぐに、丁寧に縫われた 8センチの切り傷。 その縫い目を見た瞬間、胸の奥がじわっと熱くなりました。「太い腱はつなぎました。細い腱は自然に治ります。 腱は思った以上に強いので、安心してください」先生の落ち着いた声に、 張りつめていた心が少しだけ緩みました。入院か通院かの話になり、先生は続けました。「ご自宅で、シャワーで傷をきれいに洗い流して、 お出しする軟膏をたっぷりつけて、 清潔なガーゼを当てられるなら通院で大丈夫ですよ」その言葉を聞いた瞬間、 胸の奥でほっとしました。クマさんは、縫合を終えたばかりだったのですが思ったより穏やかな顔でした。先生がまだ麻酔が効いているから痛みはこれからですとその言葉に思わず先生ありがとうございます綺麗に縫合された傷を見て、また涙が零れそうになりました。先生からは、抗生物質と痛み止め、そして軟膏を処方されました。薬の塗り方、ガーゼのあてかたから包帯の巻き方を教えてくれました。処方箋出しますので薬をもらってくだい。「連休明けの7日に予約を入れておきますので、来てくださいね」その言葉を聞いたとき、 ようやく “ここまで来た” という実感が胸に広がりました。長い長い時間をかけて縫合してもらったクマさんの手。 あの深い傷を見たときの衝撃がまだ胸の奥に残っているのに、 先生の落ち着いた声が、 その衝撃を少しずつやわらげてくれるようでした。処置を終えたクマさんは、 さっきまでの緊張の色とは違って、 どこか “終わった” という安堵がにじんでいるようにも見えました。私はそっと横に立ち、 クマさんの右手をそっと握りました。 その瞬間、また涙がこぼれそうになって、 ぐっとこらえました。しばらく待合室で待っていると、 「処方箋ができましたので、薬局でお名前を言ってください」 と声がかかりました。この病院は初めてでした。 以前あった循環器病院と新日鉄病院が一緒になって、 駅の東に新しくできた大きな病院。 広くて、どこに何があるのか分かりにくくて、 私は薬局を探しながら、つい歩きすぎてしまいました。そのとき、後ろからノブの声。「母さん、行き過ぎてるよ」その一言で、 ああ、まだ動揺してるんだな と自分で気づきました。小さなガラス窓に「薬局」と書かれた文字を見つけて、 ようやくたどり着きました。薬剤師さんが、 「抗生物質と痛み止めはすぐに飲んだほうがいいですよ」そろそろ麻酔が切れる頃ですから と教えてくれました。「カフェインは避けてくださいね」そう言われて、ノブが麦茶を買ってきてくれました。 その場で薬を飲み、ふっと息をつくと、 時計はすでに3時30分を回っていました。「何か食べて帰ろうか」 と私が言うと、ノブが、「うどんみたいな軽いのがいいね」と答えました。クマさんはノブの車の助手席へ、 私は後部座席へ乗り込みました。 連休だからか、道路はかなり混んでいました。はなまるうどんに入り、 三人で静かにうどんを食べました。 温かい汁が喉を通るたびに、 張りつめていた気持ちが少しずつほどけていくようでした。そんなときノブが言っていいのかな?と話を始めました。何事かと思ったら久しぶりに姉ちゃんに(私の姉 昔から姉ちゃんと呼んでます)電話したら「姉ちゃん、圧迫骨折して入院してるみたいやねん。 明日行くって言ったけど、この状態なら行ってもいいかな・・」その言葉を聞いた瞬間、胸の奥が少しざわつきました。私と姉は、ちょっとした行き違いで今は仲違いをしています。 姉は独身で自由人。 考え方そのものが私とは違っていて、 5歳離れていることもあり、幼い頃は母代わりのような存在でした。いつもそばにいてくれて見守ってくれていたのです私には、母が二人いたような感じでした。 だからこそ、私が大人になってもいつまでも子ども扱いで、 私が姉をちょっと注意すると怒る・・そんな関係のまま、今に至っています。ノブは、その全部を理解しています。そのあと薬局へ寄り、 包帯とガーゼ、テープをノブに選んでもらいました。普段は愛想のないノブが、 真剣な顔で棚を見比べながら、「このくらいの大きさがあったら大丈夫」 「包帯はこれは駄目。こっちのほうがいい」と、丁寧に選んでくれました。その姿を見て、 その優しさに癒されました。そしてふと気づいたのです。長男が笑ったのは、私の気持ちをほぐすためだったんだ。その優しさに気づいた瞬間、 また涙がこぼれそうになりました。そんなとき長男からラインが入りました。「夜遅くなるけど、そっち行っても迷惑にならない?」その文字を見た瞬間、 胸の奥がじぃ~~んとして、「来てくれると父さん喜ぶ」そう返信すると、 しばらくして、「子供も一緒に行っていい?」とメッセージが届きました。もちろん父さんめちゃくちゃ喜ぶよ。東京18時発の新幹線に乗って23時時38分着の電車だから迎えお願いね。それを聞いたクマさんの笑顔がぱっと明るくなったのを私は見逃しませんでした。夜、クマさんは眠そうな顔をしながらも長男たちを待っています。ノブは「兄ちゃんが帰ってきたら、そうちゃんやみ〜ちゃんも神戸に行くって言うかもしれんし、聞いてみて」そう言ってくれました。改札から出てきた長男と、 その後ろに続く孫二人。 三人とも、どこか緊張したような、 心配そうな顔をしていました。その表情を見た瞬間、 胸の奥がじわっと熱くなって、 涙がこぼれそうになりました。家族が集まってくれるというだけで、 あの長い待ち時間の重さが、 少しだけ軽くなった気がしました。長男が帰ってきてしばらくすると、 ノブは私に「兄ちゃんに聞いてくれた?」と尋ねました。 長男に話をすると長男もノブと同じようにお姉ちゃんにたくさんの幸せをもらっていたので「明日には新幹線で帰らなあかんけど、父さんの状態もわかったし、 姉ちゃんの顔も見たいし」と言いました。二人とも、幼い頃から私の母と姉に本当にかわいがってもらっていて、 私たちが仕事で忙しかったお正月には、 毎年旅行に連れて行ってもらっていました。二人にとっても、姉は大切な人。でも今回は、クマさんのこともあるので、 私たちは行きません。それを察したノブが、「姉ちゃんには父さんの怪我のことは言わんとくわ。 ちょっと用事があって来れへんけど、無理しないでって言ってたって伝えとく」と、そっと言ってくれました。私は姉のお見舞いをそっとノブに託しました。何でも大丈夫という人だから決して無理はしないでと伝えてと添えて。今朝、長男・孫・ノブは我が家の車で姉の入院している病院へ。私は昨日帰宅してから収穫してきたいちごをパックいっぱい詰め込んでそれも持っていってもらいました。長男と孫は今日の新幹線で帰ります。クマさんを心配して飛んできてくれた。ノブや長男の優しさにただただ感謝しかないです。あんなにも心強く感じたことはありません。FC2・・はこちらから-
2026/05/03
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昨日は疲れてしまって、 気がつくとソファで寝ていました。目を覚ますとクマさんの姿がなくて、 庭に出ると、倒れた鉢をひとつずつ起こしてくれていました。「いきなりすごい雨風がきて、こんななったんや」 と、少し困ったように言うクマさん。 その声に思わず庭を見渡すと胸がズキッとしました。鉢はあちこちで倒れ、 バラの中には根元から折れてしまったものまで。ラマリエは、 私が庭のバラの中でも特別に気に入っていた子でした。普段は「バラは庭で咲いてこそ」と思っていて、 ほとんど切らないのに、 ラマリエだけは別でした。房咲きで、花が重くて、 小さな花瓶では倒れてしまうから、 大きめのガラスの花瓶に入れて、 キッチンの棚にそっと置いていました。キッチンに行くたびに、 ふわっとラマリエの香りが迎えてくれて、 その香りにすごく癒されていました。だからこそ、 クマさんが「挿し木しといたらええのに」と言ってくれたとき、 なぜ私は「もう減らすつもりだからいい」なんて 言ってしまったのか、今思うと不思議です。袋の中のラマリエには つぼみがたくさんついていて、 その姿を見た瞬間、 胸がぎゅっとして、涙がこぼれそうになりました。そして今朝。 庭に出ると、 ふわっと光るように咲いているバラがありました。アブラハムダービーです。見た瞬間、 昨日の痛みが少しだけ溶けていくようで、 心がふわっと癒されました。バラって、 嬉しさと切なさを 一緒に運んでくる花ですね。FC2・・はこちらから
2026/05/02
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朝の庭に出ると、 まず目に飛び込んできたのは「宴」の深い赤でした。 まるで自分の美しさを知っているように、 誇らしげに花びらを広げていて、 その堂々とした姿に思わず足が止まります。そのすぐそばでは「オデュッセイヤ」が、 同じ赤でもまったく違う雰囲気で咲いていて、 どこか貴婦人のような気高さが漂っていました。 静かに、でも確かに存在感を放つその姿が、 朝の空気をすっと引き締めてくれます。そして、ふと視線を落とした先にいたのが「オールドブラッシュ」。 ここからの3枚も、すべて昨日の朝に撮ったものです。咲き進むにつれて色が変わっていくこの子は、 その日その日で違う表情を見せてくれます。まずは、つぼみと咲きかけの姿。 まだ幼さが残っていて、 可愛いの入り口のような柔らかさがあります。少し開いてきた花は、 色がふわっと明るくなって、 咲き進む楽しさをそのまま映しているよう。そして、ふわっと開いた最後の一輪。 昨日の朝は、雨の気配をまだ知らないように 軽やかな表情を見せていました。そして今朝のバラたちは 雨に打たれてぐったりしていました。昨日の柔らかな色と、今朝の儚さ。 同じ花でも、こんなにも違う姿を見せてくれることに、 季節の移ろいを感じました。同じ「赤」でも、 こんなにも違う咲き方、違う性格を見せてくれる朝の庭。 ほんの短い時間なのに、 小さな物語がいくつも重なっているようでした。FC2・・はこちらから
2026/04/27
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今回の棚の動きを動画にしました・・ **台所で起きた小さな事件が、ついに決着を迎えました・・** 静かに始まったこの物語は、気づけばちょっとしたドラマになっていました。最初のきっかけは、 もともと使っていた自動昇降の乾燥機が ある日突然ストンと沈黙したことでした。修理をお願いすると、 「10万円以上かかるかもしれません」 と、まるで高級バッグの値段みたいな数字が出てきて、 思わず目が泳ぎました。しかも今年の6月で10年。 次に壊れたら部品もありません、と言われ、 家電から 「そろそろ卒業しませんか」と静かに別れを告げられたような気持ちに。本当は壊れた部分だけ替えたかったのですが、 その扉も廃盤。 そこだけ違う色になるのはどうしても気になってしまい、 「うーん・・これはもう全体替えるしかないか」 と、深呼吸して覚悟を決めました。以前は洗浄乾燥機を使っていたのですが、 私はどうしても洗浄は自分の手でしたくて、 乾燥だけが欲しかったんです。そんなとき、長年お付き合いのあるK村君から 「自動昇降の乾燥機がありますよ」 と提案され、 “なんだか未来っぽいし便利そう”と設置したのが始まりでした。そして始まった、電動さんとの波乱の日々ところが数年後・・・・・・ 中に **でっかいゴキブリ** が出始めて、まさに驚愕。クリナップに相談すると、 「どこからでも入ってきますよ」 と、天気予報みたいにサラッと言われ、 心の中で 「いやいや、そんな爽やかに言われても・・・こっちは大事件なんですけど!?」そして、あの“伝説の朝”がやってきました。棚をおろした瞬間、 そこに **でっかい彼** が堂々と歩いていて、 身体がカチンと固まりました。そのあと、 「ぎゃあああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜」 と声にならない声が出て、 気づいたら 「クマさんきてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」と叫んでいました。クマさんはすぐ来てくれて、 薬をシュッと振って退治してくれました。 (私は棚から3メートル離れた場所で、 野生の小動物みたいに固まっていました。)でもそのあとが本番。 中には乾いた食器が入っていたので、 全部取り出して、洗い直して、 乾燥機の内部を隅から隅まで掃除して、 アルコールで消毒したのは私。クマさんは“退治担当”、 私は“後処理担当”。 なんとも言えないチームワークでした。そんな事件が、 なんと3〜4回もあったんです。もうその頃には、 乾燥機を見るだけで 「今日は何もいませんように・・」 と祈るような気持ちに。そして私はついに、 乾燥機を使うのをやめました。さらに、棚を上まで上げてしまうのも怖くて、 いつも **“目の届く位置”** まで下げたまま使っていました。まるで、 「あなたのことは信用してないのよ」と言いながら距離を置いて付き合っている、 ちょっとした“台所コント”のような関係でした。今回この提案をしてくれたのは、 長年お付き合いのあるK村君。「全部替えたほうがいいですよ」 と言われたときは、 思わず 「えっ!?なんで全部!? そこ壊れてないよね!?」と心の中で全力ツッコミ。するとK村君、 まるで“未来の台所を見てきた預言者”みたいに落ち着いて、 こう説明してくれました。「自動は故障しやすいんです。 壊れると高額になりますし、 10年経つともう部品がないんですよ。 だから壊れにくい“手動”にしたほうが安心です」・・・いや、急にそんな冷静に言われても。私は心の中で、 「ちょっと待って、 私もう何回も電動さんに泣かされてるのよ!?」でも、 でっかいゴキブリ事件、 乾燥機との微妙な距離感、 “目の届く位置までしか下げられない恐怖の毎日”を思い返すと、「・・はい、もう手動でお願いします」と、白旗を振るしかありませんでした。そして仕上がりを見た瞬間、 「あ、これは結果オーライだわ」 と心の中でスタンディングオベーション。長年のK君の“勘”、 やっぱり恐ろしく鋭いです。洗った直後にちょっと置く場所は欲しいので、水切り棚は“普段は上げておく派”のまま残しました。普段は天井付近で静かに待機しているのに、必要なときだけスッ…と降りてくる、まるで“忍者みたいな秘密兵器”です。上の棚は思い切って“真っ白”を選びました。 仕上がりを見たとき、 色の違和感はまったくなくて、 むしろ空気がすっと整ったように感じました。白と赤、そして木の質感。 この三つがそっと並ぶことで、 キッチンにやわらかい温度が生まれています。手動の棚下収納は、 思っていたよりもたくさんのものが収まって、 キッチンの動きが前よりずっと楽になりました。新しくつけたアイエリアには、 よく使う調味料を並べておけるので、 料理の途中で手が迷わなくなりました。もう電動さんには振り回されません・・(*'ー'*)ふふっ♪FC2・・はこちらから
2026/04/30
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昨夜サイエンスミステリーと言う番組を見ているとバブ体中を泡のような疣で覆われる奇病にかかった男性が同じ病気を発症し始めた子供のために治療法を見いだしてもらうべくその顔を世界に向けて公開しましたルマン:体中を泡のような疣で覆われた男性が子供のために顔を公開―インドネシア顔を公開したのはインドネシアに住むチャンドラ・ウィスヌという名の57歳の男性で地元の村では「バブルマン」と呼ばれる無数の疣で覆われた容貌から滅多に家を出ることはなく出るときにはバラクラバ(目出し帽)にサングラスジャケットを3枚重ね着し、人目から逃れていたといいます疣はウィスヌが19歳のときに出現しましたそれが24歳の頃には背中を覆い32歳で全身を覆い尽くしました最初は皮膚科に通わせクリームを塗るなど面倒をみていた両親も症状が進むばかりのウィスヌにあきらめやがてウィスヌ自身もこの奇病と共生するための努力を放棄してしまいましたまだ疣が体を覆い尽くす前に一緒になった妻ナニクには、出て行くようそして二度と家には戻らないでほしいと訴えたウィスヌでしたが妻はこれを拒絶ウィスヌを見守り続けることを選びこれまで33年間連れ添い、4人の子を産みましたしかし生活には困難が伴いました他人から直接、嘲りをうけたということはないんだ。でも、僕のことをじっと観察して避ける。みんな僕に対してはよそよそしく振る舞うんだ。恐れているんだよね。僕のこの顔に怖がって病気が感染るんじゃないかと心配してる。だから僕も娘を学校に迎えに行くとき以外は滅多に外に出ないウィスヌは語り、ナニクがこう付け足しますそう。それで学校に迎えに行くときはお父さんの怖い顔を見て娘が友だちにいじめられないよう、私が頭と顔を覆うのこうして人目を忍んだ生活を続けてきたウィスヌでしたが最近になって長男マルティン(32)と長女のリズに病気の兆しが現れたことから自分と同じ運命の轍は踏ませないと決断治療法を見いだしてもらうべく、世界に向けて顔を公開しましたしかしながら高額な医療費は払うことができないウィスヌは子供たちの将来を心配しながらも治療よりも無料の処方を求めているということです実は、私の職場に買い物に来る女性で同じような顔の方がいらっしゃるんですもっと、黒っぽくてビロビロしたものなのですが顔中に手に・・手はこれほどひどくないですが顔は、素顔が全くわからないくらい覆っていますなんとも気の毒でそれでも、顔を隠さずに買い物に来られます子供って残酷で、指さして母親に何か言ってますそれを諭す母親は皆無といってもいいですさっと引っ張って離れていくという感じです大人だって、じっと見てたりしますなんとかならないのかと、ずっと思っていた時にこのTV放送遺伝子の病気だったのですね・・早く治療法が見つかるといいのですがその女性、まだ30前後の方で正直言って最初に見たときはドキッ!としました普通に接するのが一番と思っています最近顔を見ていませんどうしたのでしょう・・気になっています・・神経線維腫症I型(レックリングハウゼン病)(公費対象)だそうです・・FC2・・はこちらから
2013/01/20
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我が家の庭は、 道からは見えないところにあります。 駐車場を抜けて、 南側の玄関へ向かうときにだけ、 バラたちが静かに姿をあらわします。 少しだけ、秘密の庭のような場所です。弱っていく鉢植えの ステンレススティール を見ていた頃、 どうしても手放したくなくて、 そっと何本も挿し木をしました。 季節が静かに巡って、 残ってくれたのは二本だけ。 朝の光の中で小さな芽をひらいていて、 胸の奥があたたかくなりました。今日はその二本を、 バラ鉢へ移動しました。 触れたとき、 苗がほんの少し息をしたように感じて、 そのかすかな気配が 心の奥にそっとしみました。植え替えを終えて庭を歩いていると、 光がひとつ、 やわらかく揺れていました。近づくと、レディ・ヒリンドンが静かに咲いていて、クリームに溶けるアプリコット色がそっと心に触れていきます。レディ・ヒリンドンは、近づくと、ティーの香りがそっと漂って、春の空気にやわらかく溶けていきます。見ているだけで、庭の空気ががほどけるような、そんな淡い色。 春の庭は、小さな気配がそっと残っていくところが好きです。・・・・その静けさの奥では、バラをそっと守るための小さな手間だけが、気づかれないまま続いています。FC2・・はこちらから
2026/04/28
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