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Hiro Maryamさん
HirokochanさんComments
それこそ、ほんとに藪から棒に、師匠が亡くなってしまいました。
10年前のアタシに、マニアックなピアノ奏法をご教授くださった師匠でした。
師匠のもとで、狂ったようにその奏法にむかって突っ走ったころ。
その奏法に必要な強烈な「忍耐力」が欠け始めたころ。
忍耐力が欠けているほうが悪いのか?
そもそも忍耐ってどこかで切れるんじゃないのか。
ほんとの努力は「楽しいほうに向かってあきらめない」ことじゃないのか。
・・・と思い始めて、師匠のところから足が遠のき始めて。
かといって、それに代わる奏法なんて見つからず。ジャズバーとかまで探しに行っちゃって、大破しちゃった人、知ってますけど。それアタシですけど。
壊れた真っ最中の昨年。8月8日。北京オリンピックの開会式頃に、先生に呼び出されて会ってお話だけして、おっ壊れたこのツラ見せて、ちょっと先生泣いてたっぽくて。
その次、会うのがこんな形ってどういうことですか?と、お通夜の顔を見ながら思いました。
ピアノは相変わらず大破中ですが、結構うまく人前で動けるようになってきてるんですよ?
先生の教えを、先生とは違ったやり方ですが、実現しようとしているのを見てくれないんですか?
いなくて困るとか寂しいとかよりも、「こっち見てよ!!」な感情が先走っていますが、多分、これが本音です。
先生、あたしこのままじゃ、先生の教えの「それまでのピアノ奏法のほぼ全部をぶった切る」ところだけ見習って、うっかりしすぎて「自分までぶった切った」ところで終わりなんですけど、どうしてくれるんですか?
なんか一度、本気でこの人と喧嘩したかったなと思いました。
昼過ぎの一報から、友人とそれこそありとあらゆるツテをたどって、あちこちに散らばる門下生たちに連絡するとき・・・
人が怖いの怖くないのなんて言ってる暇も無く。
人の波に飛び込んで、言葉を交わす。電話の向こうで、色をなくしたはずの時間が、色を取り戻していく。
師匠を亡くして心細げなみんなの声。自然にみんなが寄り添いあうその瞬間。
あたしの地獄も、この隙間にこっそり埋没してしまえばいいのに。
提出できない宿題を放り投げていったその人は、
アタシが最後の最後、すねてふくれて超えずにいた何かを壊していってくれました。