◆◆ 個別化医療への先駆け ◆◆
最近の前立腺がんの診断・治療の話題の中心は、
個別化医療(プレシジョンメディシン)
です。
『個別化医療』というのは、患者さんやがん組織の状態を調べて、患者さんそれぞれに適した治療を行うというものです。
テーラーメイド治療、和製英語でオーダーメイド治療とも言われます。
前立腺がんといっても、単一の疾患ではありません。
前立腺がんは、人それぞれで顔が違うように、多様な顔を持っています。
前立腺がんの組織は
Heterogeneity
(不均一性)を持っていて、
おとなしいがんもあれば、急激に増殖・転移・進行する放っておけないがんも発生します。
同じ患者さんの前立腺の中にも性質が異なるがん組織が多発していることもよく見られます。
前立腺がんの種類により、
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内分泌療法の効果が十分長期間期待できるもの
内分泌療法の奏功期間が短いもの、全く効かないもの
抗がん剤治療での効果が期待できるもの
前立腺がんで用いられる治療で効果がないもの
前立腺がん治療に一般的には用いられない抗がん剤治療で、効果が期待できるもの
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これらを治療前に、前もって知ることができれば、無駄な寄り道をせずに治療を受けられます。
今までは、平均点の高い治療をまず行って、効果がなければ、次の治療を試すという状況でした。
良ければ、『結果オーライ』というわけです。
しかし、一般的な治療に抵抗し、急速に悪化進行するタイプの転移性前立腺がんの患者さんは、ゆっくり治療する時間がないかもしれません。
自分の前立腺がんにあった治療法が見つかる前に手遅れになっては困ります。
個別化医療が進めば、効果が期待できない治療は、行う必要がなくなります。
効果が期待できる治療を、時間の無駄なく選択することができるようになります。
患者さんは、人それぞれで顔が違うように、遺伝子情報、体質、個性を持っています。
前立腺がんも、個別の遺伝子情報、個性を持っています。
患者さんを個別に、そして、前立腺がん組織を個別に精査して、いちばん効果が出やすい治療を選択するのが、
『個別化医療』
とよばれるものです。
前立腺がんに関しては、残念ながら言うのは簡単ですが、実際は簡単ではありません
。
しかし近年、ようやく『個別化医療の先駆け 』 といわれるものが登場してきました。
1. BRCA 遺伝子変異-リムパーザ(一般名:オラパリブ)
2. MSI-High - キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)
3. PSMA 陽性 - 177Lu/225Ac-PSMA 治療
日本でまだ受けられない治療もありますが・・・
前立腺がん以外の臓器のがんでは、かなり以前から、個別化医療は進んでいます。
まだ始まったばかりで、安価で簡易にできる検査とはいえません。
しかし、ハイスピードで臨床応用できる体制が整えられてきています。
たしかに、個別化医療を受けることができる患者さんの数は多くはありません。
患者さんの数は限られていますが、
ものすごく効果が出ている患者さんがいるのも事実です。
BRCA
遺伝子変異陽性や
MSI-High
や
PSMA
治療など個別化医療の展開はこれからますますひろがっていくと期待できます。
あなたに当てはまる可能性は、まったくないわけではないのです。
期待しましょう!
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